テレワークをするなら押さえておきたい基礎知識
いまさら聞けない「VPN」の必修12用語 あなたは幾つ知っている?
「VPN」は安全なテレワークを実現するための重要な技術だ。暗号化の方法からVPNサービスの種類まで、VPNに関連する主要な用語を理解しよう。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、企業の間で在宅勤務などのテレワークの導入が一気に広がった。長期的に考えても、パンデミック(世界的な感染症の大流行)の記憶が残っている間はテレワークが廃れることはないだろう。
テレワークの必需品と言えるのが「VPN」(仮想プライベートネットワーク)だ。VPNを利用することで、テレワーク中の従業員もオフィスにいるときと同様に、安全に仕事ができる。フルタイムでテレワークをする場合、時々テレワークをする場合、臨時で長期間テレワークをする場合の全てにVPNが有効だ。
広く活用されるVPNだが、その関連用語は他のネットワークセキュリティの用語と同じく分かりにくい。VPNを理解する上で最低限知っておくべき用語が幾つかある。VPNサービスの種類も交えて、関連する12個の重要用語を解説する。
AES
「AES」(Advanced Encryption Standard)は固定長のデータを単位とする、共通鍵暗号方式の暗号アルゴリズム「ブロック暗号」の一種。機密性の高いデータを暗号化し、保護するために開発され、世界規模で導入されている。米国政府も機密データの保護にAESを使用している。AESは公開鍵暗号方式の暗号アルゴリズム「RSA暗号」(RSA:Rivest-Shamir-Adleman)と対比されることがある。VPNサービス事業者はVPNサービスの暗号化の方式として、一般的にはAESかRSA暗号を使用している。
DMVPN
「DMVPN」(ダイナミックマルチポイントVPN)は、複数拠点同士を接続する「メッシュネットワーク」のトポロジー(ネットワークの接続形態)を適用したVPNサービスだ。LANやWANといった社内ネットワークに接続する全ての拠点を相互に直接接続できる。拠点間でデータを送受信する際は、企業の中核的な拠点やデータセンターを経由する必要がなく、各拠点間で直接通信することが可能だ。
暗号化
「暗号化」を理解することなくVPNを完全に理解することはできない。暗号化は、データを秘密の文字列に変換してデータの内容を判読不能にするプロセスを指す。暗号化されたデータは宛先に届いた後に復号する必要がある。VPNはこの暗号化のプロセスを取り入れ、認可されたエンドユーザーだけが安全にデータを送受信できるようにする。
ゲートウェイ
企業拠点の内外をまたいで送受信されるデータは「ゲートウェイ」を介して出入りする。ゲートウェイは、異なるネットワークプロトコルを使用する2つのネットワークを接続するためのアプライアンスだ。ネットワーク同士が通信できるようにゲートウェイはネットワークプロトコルを変換する。ほぼ全ての種類のVPNサービスが、ゲートウェイを使用する。
ハードウェアVPN
「ハードウェアVPN」は物理的なアプライアンスを用いて接続するVPNだ。一般的にはソフトウェアベースのVPNよりも導入費用がかかる傾向にあるが、ソフトウェアベースのVPNよりも高いセキュリティレベルを実現しやすい。クライアントデバイス側に負荷を掛けずにVPN接続を確立できる利点もある。多くのエンドユーザーを収容する企業のネットワークに適したVPNの導入形態だと言える。
IPsec
「IPsec」(Security Architecture for Internet Protocol)はOSI参照モデルのネットワーク層のセキュリティを確保するためのセキュリティプロトコルだ。インターネットのように、セキュリティを確保しにくいネットワークを使って安全にデータを送受信するために使用される。企業はIPsecやその他のセキュリティプロトコルの併用によって、インターネット回線でもセキュリティレベルの高い接続を確立できる。
モバイルVPN
「モバイルVPN」は移動通信システムを利用するVPNだ。物理的な場所にとらわれずにネットワークに接続するモバイルデバイス向けのVPNとして利用される。モバイルVPNは、ネットワークとデバイスにひも付く通常のIPアドレスではなく、VPN接続のために論理的に設定する「仮想IPアドレス」を使う。エンドユーザーは場所を移動しながらでも、シームレスなVPN接続ができる。
リモートアクセス
従業員が自宅など職場以外の場所から遠隔で社内のネットワークに接続するのが「リモートアクセス」だ。リモートアクセスを実現するために利用する「リモートアクセスVPN」は企業の間で広く利用されている。従業員はエッジ(末端)にあるゲートウェイを経由して社内ネットワークに接続する。VPN接続を確立する際はユーザー認証が必要になる。一般的なリモートアクセスVPNは、IPsecや後述する「SSL」(Secure Sockets Layer)といったセキュリティプロトコルを使って安全な接続を実現する。
SSL
SSLはIPsecと同様、ネットワーク接続を保護するセキュリティプロトコルだ。一般的にはインターネットのような安全性が確保できないネットワークの通信を保護するために使用される。セキュリティプロトコルとしてSSLまたは「TLS」(Transport Layer Security)を使用して安全なネットワーク接続を実現するVPNは「SSL VPN」という。
テレワーク
従業員がオフィスなどの職場に通勤せず、自宅など職場以外の場所で仕事をすることをテレワークという。「リモートワーク」と呼ばれることもある。テレワークを実施する際は、一般的にはインターネット接続によってメールやビジネスチャットツール、Web会議ツールを使用する。安全にテレワークをするために必要になるのがVPNだ。テレワークを実施する従業員は、VPNによって職場にいるかのように社内ネットワークやデータ、業務システムを利用できる。
トンネリング
「トンネリング」はデータを送受信する2拠点間に、「トンネル」というプライベートなデータ伝送用の経路を確立するプロセスを指す。「ポート転送」(ポートフォワーディング)とも呼ばれる。インターネットのようなパブリックなネットワークを経由する通信の安全性を確保する。VPNはトンネリングを使用する。エンドユーザーのクライアントデバイスに導入する「VPNクライアント」というクライアントソフトウェアと社内ネットワークの間でトンネルを確立し、暗号化したデータを送受信する。
VPN
最後に、VPNという用語自体についても取り上げる。VPNは拠点間を接続する場合や、オフィス以外にいる従業員が社内ネットワークに接続する際に使用される。VPN機能を搭載したネットワーク機器やクライアントデバイスに専用のソフトウェアを導入することでVPN接続ができるようになる。従業員はオフィス以外の場所からでもVPNによるリモートアクセスで安全に社内の業務システムに接続できる。
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