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英国競泳チームの「東京五輪で金4、銀3、銅1」を導いた“すごいデータ分析”プール一体型センサーも活用

データ分析が、東京2020オリンピックでの英国競泳チームの成功に一役買った。英国競泳チームは、どのようなデータをどう収集し、どう活用したのか。

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データ分析


 英国の競泳選手は、半導体チップベンダーIntelのおかげもあって、第32回オリンピック競技大会(東京2020オリンピック)で過去最多のメダルを獲得した。勝ち取ったメダルは8個(金4個、銀3個、銅1個)。British Olympic Association(チームGB:英国オリンピック委員会)とBritish Swimming(英国水泳連盟)は、Intelの技術とデータ分析を用いて競技成績を改善してきたと述べている。

英国競泳チームのメダルラッシュを実現した“すごいデータ分析”

 Intel英国法人は、チームGBらがデータ分析を用いて、どのように競技成績を改善したかを紹介する映像を公開した。同社によれば、チームGBらはIntelのプロセッサ「Intel Xeon」を搭載したサーバと、同じくXeon搭載のモバイルワークステーション(高性能ノートPC)を用いて、データ主導のアプローチをトレーニングに導入している。

 英国水泳連盟で主任コーチを務めるメル・マーシャル氏は「トレーニングのデータをリアルタイムで提示することが全てだ」と語る。「即時にフィードバックすることで、選手たちはその場で調整できる」(マーシャル氏)

 「究極を言えば、選手の実力を引き出すには、その選手に対して最良の理解があることが必要だ」とマーシャル氏は主張する。Intelの技術やデータ、コーチング、イノベーションはいずれもその役割を果たすという。「これが選手のレベルとマッチすれば、その選手に新たな展望が生まれ、素晴らしい結果を出し続けることができる」と同氏は説明する。

 チームGBらは、ルーク・グリーンバンク選手など英国の競泳選手が、プールサイドやリモートで即時に自らの映像を確認し、動作を分析できるようにした。各選手はリアルタイムで上達度を追跡しながら、自身のテクニックにその場で調整を加えられるようになった。このような競泳でのGBチームらの成功は、スコットランドのダンカン・スコット選手が競泳男子400メートルメドレーリレーでの銀メダルを皮切りに、1度のオリンピックで英国最多のメダルを獲得した選手となったことともつながっている。

 スポーツ分野におけるデータ分析の利用は、サッカーやラグビー、テニス、競泳、陸上など、さまざまな競技で見られる。2014年にはSAPが、世界サッカー選手権FIFA World Cup(FIFAワールドカップ)でのドイツ優勝に、自社の分析が貢献したと強調した。また2016年にイングランドのプロサッカーPremier League(プレミアリーグ)で予想を覆したLeicester City Football Club(レスターシティFC)の勝利は、データ分析によるものでもあったといわれる。

 競泳の上級アスリートの世界では、ごくわずかな実力差が競技の勝敗を左右する可能性がある。ミリ秒単位での1回のストローク(手の一かき)やターン(折り返し)が問題となる。競技成績の改善につながる、こうした小さな情報が、何ギガバイトにも及ぶトレーニングデータ内に隠れているのだ。

 チームGBらのデータ収集システムの中心となるのは、何台ものフルHD(水平走査線1080本以上の解像度)のビデオカメラだ。加えてチームGBらは、プールと一体化した水圧センサーやウェアラブル速度計の他、1秒当たり1000点のデータポイントを測定できる専用のスターティングブロック(選手がスタートの際に足を置くブロック)も取り入れている。

 スターティングブロックのセンサーから得られるデータを用いれば、GBチームらは競泳選手が生み出す力や、選手がその力をどのようにかけているかを見ることができるとIntelは説明する。GBチームらは、このデータから適切なトレーニング法を見いだし、競泳大会で有利になるよう選手を導くことができる。

 センサーのデータや映像の分析により、コーチングチームは各競泳選手のパフォーマンスをさまざまな階層へと掘り下げて調べ、証拠による「データストーリー」を作成して、これをコーチや選手たちと共有することが可能になる。

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