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学生の8割が懸念する「オンライン教育」が大学にとって“大チャンス”の理由英国高等教育機関と学生への調査結果を読み解く

Citrixが実施した調査からは、英国の8割近くの学生が長期化するオンライン教育に懸念を抱いていることが分かった。それでも現在の状況は、高等教育機関にチャンスをもたらすとの声もある。どういうことなのか。

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 英国の大学生の間で、オンライン教育が学業に与える影響や、講義を担当する教員のITスキルに対する懸念が広まっていることが、Citrix Systemsの調査で明らかになった。2020年7月から約6カ月にわたったこの調査の対象は、英国の大学など高等教育機関の学生500人とスタッフ500人(副総長、最高技術責任者、最高情報責任者、ITディレクター、ITマネジャー)だ。

8割の学生がオンライン教育に懸念 それでも「大学にはむしろチャンス」の訳

 調査によれば、回答した学生の92%はオンライン教育に順応しており、必要な教材やアプリケーション、データを簡単に利用できると述べている。一方で学生の回答者のうち79%は、長期間のオンライン教育が学業に及ぼす影響など、オンライン教育に関する「さまざまな懸念を抱いている」と答えた。

 高等教育機関の教育課程がコストに見合う価値を提供していると答えた学生は、わずか25%だった。約3分の1の学生が「可能であれば1年間休学していた」と答えた。

 今後については38%の学生が、パンデミック後もキャンパスでの対面教育とオンライン教育を組み合わせたハイブリッド教育を希望した。37%の学生は、教員がITをより効果的に利用するためのスキルを高めることを求めていた。

 英国サルフォード大学(University of Salford)でサービス提供責任者を務めるアンガス・レイ氏によると、同校は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)が始まった時点でオンライン教育の体制が十分に整っていたため、オンライン教育に対する意見は当時から肯定的だった。現在の状況は「教育分野に多くの変化と機会をもたらしている」とレイ氏は言う。

 レイ氏は「パンデミックが収束すれば、学生はキャンパスに戻ってくる」と話す。高等教育機関にとって今は、学生が戻ってきたときに備えてキャンパス環境を改善したり、主要科目の講義時間を学生の都合に合わせて設定できるようにしたりする良い機会だと指摘する。「ITのおかげで、学生は好きなときに好きな場所で活動できるようになった。これは3〜4年前には考えられなかったことだ」(同氏)

 学生が教育課程の途中で経済状況の変化に直面する可能性があるため、高等教育機関はそのような学生をサポートできるようにする必要があるとレイ氏は指摘する。これは、学生の定着率を高め、全体的な学習体験を向上させるためにも「重要なこと」(同氏)だ。こうした新しい機会は、「高等教育機関にとってエキサイティングな時代が来たことを意味している」と、同氏は語る。

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