Facebookの「顔認識技術」が物議を醸す“本当の理由”:顔認識技術の行く末【後編】
顔認識技術は企業にさまざまなメリットをもたらすことも事実だ。にもかかわらず、Facebookの顔認識機能が物議を醸すのはなぜなのか。企業が顔認識技術を建設的に利用する上で意識すべきこととは。
Meta(旧Facebook)は、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「Facebook」の顔認識機能を廃止する方針を2021年11月に発表した。この顔認識機能は、過去にプライバシーの観点で問題視され、訴訟も招いていた。
なぜFacebookの顔認識技術は、物議を醸すのか
「Facebookは今、技術の倫理的利用が求められる中で、自社がどの分野で役割を果たせるのかを理解しようとしている」と、調査会社Constellation Researchのアナリスト、R・レイ・ワン氏は指摘する。ワン氏の見解では、Metaは「どうすれば人々の助けになることができるのか」「どうすれば人々に害を与えてしまうか」を模索している最中だ。
例えば顔認識技術を利用して画像の説明文を生成して読み上げるFacebookの「自動代替テキスト」(ATT)機能について、「実際に視覚障害者の役に立っている」とワン氏は話す。Facebookは顔認識技術によってこうしたメリットを享受する一方、顔認識技術をどのように活用したいのか、どのように活用しようとしているのかを公言していない。「彼らが物議を醸しているのはそのためだ」とワン氏は指摘する。
ワン氏は「顔認識技術が今後新たな役割を担うようになる」と予想する。企業は顔認識技術を従来と別の用途に転用するか、サービスの別の部分に組み込むようになると同氏は指摘。Metaが構築を進めている仮想的な3次元(3D)空間「メタバース」でも「顔認識技術が活躍する」とみる。
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