「自宅の無線LAN」を監視するこつ IT知識とソフトスキルを駆使しよう:IT管理者向け「無線LAN改善」のヒント【後編】
在宅勤務をする従業員が無線LANをどのように使っているかは、通常はIT管理者に分からない。ただし自宅の無線LANを会社のネットワークと同じように管理、監視する方法もある。具体的に何を活用すればいいのか。
在宅勤務で使う無線LANは、通常は従業員自身が設置する。IT管理者にとっては具体的な状況が見えず、悩みの種になる。従業員の自宅の無線LANを遠隔で改善する方法については、前編「在宅勤務の『無線LAN』を不調にするNG集 『やってはいけないこと』をまず確認」で紹介した。会社の無線LANと同じようにして従業員の自宅の無線LANを管理する方法もある。後編はその具体的な方法を紹介する。
IT管理者が従業員の自宅無線LANを管理する方法
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社内ネットワークを自宅に拡張
在宅勤務で重要な作業をする従業員には、社内ネットワークを自宅に拡張することを検討するとよい。法人向けの無線LAN機器の中には、在宅勤務向けに無線LANアクセスポイントを拡張可能なモデルがある。従業員は自宅の無線LANアクセスポイントからトンネル(論理的な通信経路)を介して社内ネットワークに接続することで、実質的に自宅で社内の無線LANを使用できる。
これには多大な利点がある。IT管理者は、従業員の無線LANの使用状況に関する情報を遠隔で入手できる。これによってセキュリティの管理や、ネットワークトラブルが発生した場合の遠隔サポートが可能になる。ただし必要な機能を備えた無線LAN機器には、より高額なコストがかかることもある。
遠隔監視ツールを活用
在宅勤務者の自宅の無線LAN状況を把握するもう一つの方法は、遠隔管理が可能なネットワークの監視ツールを活用することだ。例えば7SIGNAL Solutionsの「Mobile Eye」やNetBeezの同名ツールなどを活用することで、IT管理者は従業員が自宅で使う機器の使用状況を確認できる。
こうしたツールを使って遠隔管理をする場合、IT管理者にはネットワークの知識だけではなくコミュニケーションスキルも必要だ。テレワーク中に何らかのネットワークトラブルが発生したとき、何が問題なのかを特定するにはこのスキルを使う。トラブルシューティングに必要な情報を集めるには、従業員に対して忍耐強く質問をしなければならない。反対に、従業員に正しく情報を伝えるにはIT用語をかみ砕いて表現する工夫も求められる。こうしたソフトスキル(明確な評価基準のない定性的なスキル)を身に付ければ、在宅勤務者を支援する上での強力な武器になる。
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