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CitrixはロードバランサーやSD-WANを見限るのか?投資ファンドによる買収が及ぼすCitrix製品への影響【後編】

Citrixが投資ファンドに買収され、BIベンダーのTIBCO Softwareと合併する。買収後の同社の戦略は。現状の製品はどうなるのか。

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 米国の投資ファンドVista Equity Partners ManagementとEvergreen Coast Capitalは、Citrix Systemsを買収してBI(ビジネスインテリジェンス)ベンダーのTIBCO Softwareと合併させると、2022年1月に発表した。両投資ファンドは2022年下半期に買収を完了させる。

 Citrixはデジタルワークスペース製品群の「Citrix Workspace」と、TIBCO Softwareのデータ分析機能を組み合わせることに力を入れる――。ITコンサルティング会社Enterprise Management Associatesのアナリストであるスティーブ・ブレイゼン氏は、こう予測する。

「Citrixのロードバランサー」がなくなる?

 TIBCO SoftwareのBIツールは、従業員の使用アプリケーションと、その用途を可視化できるようにするとブレイゼン氏は説明する。どの従業員がどのタスクにたけているのか、社内リソースを何に集中させるべきかを、企業が判断しやすくする。

 CitrixにはCitrix Workspaceとは独立したSD-WAN製品や、ロードバランサー機能を備えるアプリケーションデリバリーコントローラー(ADC)製品がある。これらのネットワーク管理製品群の運命は定かではない。今後同社はデジタルワークスペース技術に将来を賭け、SD-WAN製品やネットワーク管理ツールに見切りをつけるのではないかと、米TechTargetの調査部門であるEnterprise Strategy Group(ESG)のアナリスト、マーク・ボウカー氏は予測する。

 投資ファンドは、ITベンダーを買収する際に確実な利益が得られる収入源を求める。Citrixの最善策は、Citrix WorkspaceをはじめとしたDaaS(Desktop as a Service)事業の強化だと、ブレイゼン氏は指摘する。「Citrixがこの方針を採用するなら、ネットワーク管理製品事業の切り離しは理にかなっている」と同氏は述べる。

Citrixの今後の事業体制は

 ボウカー氏とブレイゼン氏によれば、Citrix前CEOのデビッド・ヘンシャル氏は、同社のクラウド戦略で重要な役割を果たしていた。ヘンシャル氏は2021年10月に退任し、後任として調達・購買管理ベンダーAriba(SAPが買収)でのCEO経験のあるロバート・カルデローニ氏が暫定CEOに着任した。

 CitrixとTIBCO Softwareの合併で、世界100カ国にまたがり、40万社のユーザー企業と1億人のエンドユーザーを抱えるソフトウェアベンダーが誕生する。Citrixは買収後、企業名とブランドはそのままで事業を継続し、本社はフロリダ州に残る。

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