IT投資の前に知っておくべき“あのコスト”とは? 知る方法は?:IT製品の宣伝文句を見極める3つのポイント【第3回】
適切な技術戦略を立てるための重要な要素の一つがコストの把握だ。より正確にコストを把握し、予算を編成するためにはどうすればよいか。
最高情報責任者(CIO)は、導入を検討中の技術が、本当に自社に必要なものかどうかを慎重に見極める必要がある。そのために必要なのは「適切な技術戦略」だ。第2回「『最新で最高のツール』という宣伝に踊らされる人、冷静に見極められる人の違い」に続く本稿は、CIOが適切なIT戦略を立てるための3つのヒント(以下)のうち、2つ目を紹介する。
- ビジネスの成果を重視する(第2回で紹介)
- 見過ごされているコストについて考える
- 識別力と創造力のバランスを取る(第4回で紹介)
2.見過ごされているコストについて考える
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技術への投資は1回で終わるわけではない。そのため、CIOはデジタルトランスフォーメーション(DX)に伴って発生したさまざまなコスト、例えば「クラウドの隠れたコスト」などを精査する必要がある。
「主要な財務情報に焦点を当てることで、CIO、IT部門、そして企業全体が技術投資に優先順位を付ける能力を強化できる」と、音楽と技術に関する展示会を開催するA3Eでリサーチ部門チーフを務めるビル・カーウィン氏は話す。カーウィン氏は、技術およびビジネスアナリストの調査レポートを公開するWebサイト「Analyst Syndicate」の運営メンバーでもある。
カーウィン氏は「コストの精査は、技術に関する最適な予算編成プロセスを確立することから始まる」と話す。特定の期間、特定のアプリケーションを使い続ける必要がある場合、そのアプリケーションを維持するためのコストをリーダーが把握できるようにするのが望ましい。そのために同氏は、IT製品にかかるコストを部門や事業ごとに算出する仕組み(チャージバックやショーバックなど)を活用することを強く推奨している。「予算については、入ってくるお金と、その年の業績要件を満たすために事業単位で必要となる技術のコストを、区別して見る必要がある」と同氏は話す。
このような仕組みを用意するのは骨が折れる。だがこれにより、IT部門と事業部門はサービス当たりのコストを把握できるようになる。そうすればリーダーは、新たな技術が投資に見合うかどうかをもっと首尾よく判断できるようになる。
第4回は、3つ目のヒントを紹介する。
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