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Wi-Fi 6が市内どこでも利用可能に 北欧都市「ネットワーク改革」の衝撃スウェーデンから学ぶ「スマートシティー」構築術【前編】

市民が快適に暮らせる「スマートシティー」には安定した高速ネットワークが欠かせない。スウェーデンのボロース市はネットワークを刷新し、スマートシティーをどう推し進めるのか。

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 スウェーデンのボロース市は、IT活用によって都市機能の効率化を図る「スマートシティー」を構築する一環として、ネットワークベンダーExtreme Networksと手を組んだ。同社の技術を使い高速の無線LANを導入して、市民向けサービスの改善に生かす。新しいネットワークの構築はシステムインテグレーターのNetNordic Groupが手掛けている。

 ボロース市をはじめとするスウェーデンの自治体では、学校教育や保育、社会福祉、高齢者向け介護といった重要サービスの提供が法律で定められている。安定したサービス提供のためには、関連する部署や機関に市民の情報を迅速かつ安全に提供するためのネットワークが必要だ。今回の新しいネットワークの導入によって、同市は何を目指しているのか。

市内どこでも「Wi-Fi 6」が利用可能に――ボロース市のインフラ改革

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大を受け、ボロース市はさまざまな新サービスの提供に注力。例えば医療用リストバンドを使い、無線LANによって医師と患者の間の即時連絡ができる仕組みを開発した。他にもリアルタイムで患者の心拍数を監視したり、位置情報によって治療が必要な人の居場所を把握したりするサービスを開始。これらの円滑な運用には、高速ネットワークが不可欠だ。

 ボロース市は新しいネットワークを設計する際、高速で安定性の高い接続を重視した。安全な公共無線LANによって市民が市のサービスを快適に利用できるようにするとともに、ネットワーク管理負荷の軽減を追求している。新しいネットワークは、Extreme Networksの無線LANアクセスポイント「ExtremeWireless」シリーズを採用。「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)準拠のモデルを導入した。市民が市内のどこにいても低遅延で高速なネットワーク接続ができるようにしている。

 ネットワークの刷新をはじめ、ボロース市がスマートシティー化を進めている背景には、IT活用によって住民生活の質を向上させる他、ビジネス機会の創出を図って地域経済の活性化につなげる狙いがある。


 後編は、ボロース市がどのようにして新しいネットワークを管理しやすくしたのかを紹介する。

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