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「セキュリティのためのAI技術」は“推し”なのか? ROIで考えるセキュリティ分野でのAI技術のROI【前編】

十分なROIが見込めるかどうかは、IT投資において重要な判断基準だ。ROIを考えた場合に、セキュリティのためのAI技術への投資は是か非か。企業と投資家の答えは微妙に異なる。

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 世界は依然として新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と地政学的課題に悩まされている。これらの変化への適応は、セキュリティのためのAI(人工知能)技術への投資にとってはプラスに働く可能性が高い。

「セキュリティのためのAI」を推してよいのか ROIで考える

 ROI(投資対効果)は一般的に、直接的な効果と間接的な効果の2つで評価される。セキュリティのためのAI技術も同様だ。投資においては売り上げ(ハードダラー)と、財務的に定量化が難しいその他の付加価値(ソフトダラー)のいずれかが、損益分岐点に到達しているか否かが問われる。投資額を回収するのに、どれだけの期間がかかるのかにも目が向けられる。

 AI技術を使ったセキュリティ製品を利用している企業は、セキュリティ上の問題の発見と解決において、節約できた時間と金額をレポート(通常は月単位で測定)として可視化することにより、その製品の付加価値を証明できる。評判の低下やシステムダウンが回避できるといった、いわゆる「ソフトベネフィット」が得られるのは有益だ。ただし通常は、それだけではセキュリティのためのAI技術への投資を正当化するだけの、説得力のある理由にはならない。

 セキュリティのためのAI技術のROIについて、投資家の見方は企業とは異なる。投資家は一定の期間(通常3〜5年)で投資額の数倍を得る計画で資本を投資する。AI技術を使ったセキュリティ製品の市場は、急速に成長している。故に「セキュリティのためのAI技術への投資は、ROI目標を達成できる」と投資家が考える可能性は高い。

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