「テレワークをやめるか、続けるか」の終わらない論争 何が“正解”なのか?:テスラが浮き彫りにしたテレワークのリスク【第5回】
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が落ち着きを見せる中で、企業の間でテレワークを継続するか、終了するかの検討が活発化し始めた。その中身はさまざまだ。
Revelo Talentは、米国企業が中南米のITワーカーをリモートで採用、管理するための採用支援サービスを運営する企業だ。同社所在地のフロリダ州マイアミは中南米とタイムゾーンが近いことから、この地域の人材に特化して採用支援をしている。同社は技術的なスキルを持った人材を募集、審査し、絞り込んだ候補者リストを米国の経営者向けに作成する。コンプライアンス、福利厚生、報酬に関する現地の要件を満たすための支援も実施する。
終わらないテレワーク論争 マスク氏は「テレワーク廃止宣言」も
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連載:テスラが浮き彫りにしたテレワークのリスク
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企業がRevelo Talentのサービスを通して採用した人材は、リモートでその企業の米国の従業員と共に働く。Revelo Talentの共同創業者であるルーカス・メンデス氏によると、同社は2015年の創業以来、7000人以上のITワーカーを企業にあっせんした。
メンデス氏によれば、ITワーカーは「テレワークは集中でき、不要な会議をなくせる」と考えている。どの時間にどのように働きたいか、という希望はITワーカーの間でもさまざまだ。朝早くから働きたい人もいれば、非常に遅い時間に働きたい人もいる。「テレワークなら、これらの希望を満たすことができる」(同氏)
テレワーク論争はなかなか終わりそうにない。それを反映した事例の一つが、電気自動車(EV)メーカーTesla(テスラ)のCEOであるイーロン・マスク氏の「テレワーク廃止宣言」とその反響だ。マスク氏は2022年5月末(米国時間)、短文投稿サイト「Twitter」に、仕事のためにオフィスに出社することを時代遅れだと考える人に対して「そうした考えの人は、どこかで働くふりでもしていればよい」といった趣旨のツイート(投稿)をした。
ソフトウェア開発ツールやコミュニケーションツールの提供を手掛けるAtlassianの共同創業者で、共同CEOであるスコット・ファークァー氏は2022年6月、Twitterにおける“テレワーク論争”に参戦した。ファークァー氏はツイートで通信社Reutersが報じた「Teslaのテレワーク終了宣言」について触れ、リークされた社内メールの一文「テレワークを希望する人は、最低でも(あくまで「最低」だ)週40時間、オフィスにいるか、あるいはTeslaを去るかしなければならない」におけるマスク氏の要求について「まるで1950年代のような要求だ」との見解を示した。
ファークァー氏のツイートによると、Atlassianの従業員は、毎日どこでどのように働くかを自ら選択している。
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