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「質の悪いソースコード」はなぜ生まれてしまうのか?:「技術的負債」主要6種とその対処方法【第1回】
「技術的負債」は、システム開発の成功と失敗を左右し得る重要な要素だ。発生しがちな技術的負債のうち、低品質のソースコードがなぜ生まれるのかを考える。
IT部門が、新しいシステムや新機能を公開、提供することを急ぐあまり、必要な作業を省略し過ぎると「技術的負債」(先送り作業)が蓄積する。「プロジェクトを可能な限り早く完了させるべきだ」という考え方は、修正が必要な問題を生みかねない。
技術的負債の影響範囲はIT部門だけにとどまらない。製造、フルフィルメント(注文処理)、出荷、カスタマーサポートといった各種業務プロセスやシステムにまで及ぶことがある。
企業が開発と事業に関するプロセスを調整することによって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)をはじめとする難題に取り組むには、技術的負債への対処が極めて重要だ。よくある6つの技術的負債を紹介した上で、プロジェクトの技術的負債の管理、対処のベストプラクティスを探る。
技術的負債1.粗悪なソースコード
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ソースコードの質が低くなる理由はいろいろある。そのうちの幾つかを以下に列挙する。これらの理由により技術的負債が危険なレベルにまで高まる可能性がある。
- 確固たる理由がないにもかかわらず、開発者が不慣れな最新ツールを使う
- コーディング規約が文書化されていない
- 開発者のオンボーディング(知識やスキルの習得)やトレーニングがない、あるいはその場しのぎのものしかない
- 時間的な制約があるにもかかわらず、スケジューリングがうまくいかない
- 外注先の開発品質を高められていない
第2回は、2つ目と3つ目の技術的負債を取り上げる。
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