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iPhoneとSamsung Galaxy “高収入ユーザー”はどちらがお好き?不振が続く中国スマートフォン市場【後編】

不景気が続いてスマートフォン市場が振るわないのは、中国だけではない。世界でも出荷台数が減っている。そうした中でAppleと韓国勢の販売が伸びているのは、なぜなのか。

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 調査会社Canalysによれば、2022年第2四半期(4月〜6月)の中国スマートフォン市場は不振が続き、出荷台数が前年同期比で10%減った。中国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のための主要都市のロックダウン(都市封鎖)といった特有の要因があったが、世界ではどうなのか。調査会社のデータを基に、世界のスマートフォン市場を見てみよう。

ハイエンド対ローエンド AppleとSamsungの異なるスマホ戦略

 調査会社Informa Tech(Omdiaの名称で事業展開)によると、2022年第2四半期(4月〜6月)におけるスマートフォンの世界出荷台数は、前年同期比3.2%減の2億9370万台だった。2022年第1四半期(1月〜3月)と比べ、4.6%減った。

 Omdiaによれば、2022年第2四半期におけるスマートフォンの世界出荷台数は、前年同期比で比較すると2022年第1四半期の12.9%減から大きく改善したものの、2四半期連続のマイナス成長となった。2022年上半期(1月〜6月)のスマートフォンの世界出荷台数は6億140万台で、前年同期から減少した(Omdia調べ)。

 2022年第2四半期におけるスマートフォンの世界市場では、出荷台数でSamsung Electronicsが首位となり、Appleが続いた。Samsung Electronicsは前年同期比8.7%増の6220万台、Appleは同12.9%増の4890万台となった(全てOmdia調べ)。

 Omdiaによると、2022年第2四半期のAppleのシェアは2022年第1四半期の18.3%から16.6%に低下した。ただし、2021年第2四半期の14.3%からは2.3ポイント上昇した。Appleの「iPhone」の最新機種「iPhone 13」は「iPhone 12」と比べて好調が続いているという。Omdiaは、Appleの成長を高収入のユーザーが支えているとみる。そのため、Appleは景気低迷の影響を受けにくく、逆風の中でも販売を伸ばせたとOmdiaは分析している。

 Samsung Electronicsについては、「出荷台数の増加は『Samsung Galaxy A13』といったローエンドモデルや、主力の『Samsung Galaxy S22』の好調な販売のおかげだ」と、Omdiaのシニアリサーチマネジャーを務めるジャシー・ホン氏は説明する。部品の供給不足といった問題で出荷が落ち込む傾向があったものの、2021年第2四半期は回復しつつあるとホン氏は述べる。

 Omdiaによると、中国ベンダーであるXiaomi、OPPO(Guangdong OPPO Mobile Telecommunications)、vivo Mobile Communicationの2022年第2四半期におけるスマートフォンの出荷台数は、前年同期比で20%以上減少した。Xiaomiの出荷台数は3940万台と、4000万台を割り込んだ。OPPOとvivo Mobile Communicationの出荷台数はそれぞれ前年同期比20.9%減、21.5%減となった。

 Honor Deviceの2022年第2四半期におけるスマートフォンの出荷台数は1510万台となり、好調を継続している。同社は2021年第4四半期(10月〜12月)から、一貫して1500万台以上の出荷を続けている(全てOmdia調べ)。

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