「テープ」はなぜ復活できたのか? その歩みを振り返る:テープの復興【第1回】
一時は「死んだ」と言われたテープは、復活の時を迎えた。テープが古くからあるストレージであることは確かだが、止まることなく進歩を続けてきたことも事実だ。
2010年前後に、ITベンダーや専門家は「テープは死んだ」と語っていた。10年以上がたち、もはやその言説を受け入れることはできない。テープはルネサンス(再生や復活を意味する)の時を迎えた。
テープの歩みと復活劇
テープの歩みの長さは、コンピュータの歴史に匹敵する。数十年にわたって、データ用のストレージとしてテープが進歩をやめることはなかった。
業界団体「LTO Program Technology Provider Companies」(TPCs)が、新たなテープ規格として「LTO」(リニアテープオープン)を公開したのは2000年のことだった。この規格がテープを復活へと導いたと言ってもいい。
LTOの第1世代「LTO-1」は、容量が非圧縮時で100GB、圧縮時で200GBに過ぎなかった。2020年に、TPCsはLTOの9世代目となる「LTO-9」の仕様を公開した。その容量は非圧縮で18TB、圧縮時で45TBになった。
同様に、LTO-9のデータ転送速度は圧縮時で最大1000Mbps、非圧縮時で最大400Mbpsに進化した。LTO-1のデータ転送速度は非圧縮時で最大20Mbps、圧縮時で最大40Mbpsだったことを考えると、20年間で大きな進歩を見せたと言える。
こうしたテープの進歩は、HDDやSSDの進歩に比べて、決して劣るものではない。「テープは死んだ」という主張は、誇張だったと言うしかない。
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