Web3とは? いまさら聞けない“次世代インターネット”の正体:「Web3」と「メタバース」の違い【前編】
次世代インターネット「Web3」とは何なのか。どのような要素で構成され、そもそも何のために生まれたのか。Web3の概要をざっくりと説明する。
さまざまなバズワード(流行語)が現れては消えていく中、定着したものもある。最近よく登場する2つのバズワード「Web3」と「メタバース」は、同じ意味で使われることがあるが、両者には明確な違いがある。この2つが何なのか、どう違うのかを説明する。
Web3とは何か
Web3は「Web 3.0」とも呼ばれる、分散型の次世代インターネットだ。インターネットでのコンテンツ公開の場を提供するサービスではなく、コンテンツのクリエイターに所有権がある状態を実現する。これにより、情報を分散管理する「分散型インターネット」の実現を目指す。
インターネットは誰のものでもない。だが現状は一部の巨大企業が大きな影響力を持っており、一部の評論家は「それらの巨大企業の影響力が大き過ぎる」と主張する。Web3は、この状況を脱してインターネットを民主化し、エンドユーザーに主導権を取り戻す役割を果たす。
Web3は次の要素から成る。
- セマンティックWeb
- Webコンテンツにメタデータ(基礎情報)を付加することで、コンピュータがより正確に情報を整理できるようにする構想。これにより、企業はエンドユーザーが何を検索したいのかを解釈して、エンドユーザーの希望に沿ったWebコンテンツを提供しやすくなる。
- AI(人工知能)技術
- Web3におけるAI技術は、エンドユーザーが何を求めて検索しているのかをより正しく解釈して、より適切な検索結果を表示しやすくする役割を果たす。
- 3D(3次元)グラフィックスと仮想空間
- ヘッドマウントディスプレイ(HMD)と、仮想現実(VR)を駆使した3Dグラフィックスにより、企業はWebコンテンツをよりリアルに表現しやすくなる。
- ブロックチェーンと暗号資産(仮想通貨)
- ブロックチェーンは、複数のコンピュータで正しい情報を共有する技術。ブロックチェーンと暗号資産は、仲介者を排除して当事者間の直接取引を可能にする点で、Web3の分散化の鍵を握る。
- 広い接続性
- Web3技術を用いたアプリケーションは、5G(第5世代移動通信システム)や無線LANなどを利用した常時接続を前提にしている。
Web3における仮想空間は、現実世界のあらゆる要素がデジタル化された空間だ。エンドユーザーはアバター(エンドユーザーの代わりとなる仮想キャラクター)を介して、仮想空間内の仕事場や会議室を歩き回ることができる。バーチャル地球儀「Google Earth」の「ストリートビュー」を想像してほしい。建物を外から眺めるのではなく、建物中に入ることができるイメージだ。
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