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「貧乏生活はもうたくさん」 “貧困化”するロシアのサイバー犯罪者ウクライナ侵攻で露サイバー犯罪者は苦境【第2回】

ロシアのサイバー犯罪者の「ビジネス」はウクライナ侵攻によって大きな打撃を受けた。具体的な数字を基に、サイバー犯罪者の収入へのインパクトを探る。

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 英国のセキュリティベンダーDigital Shadowsは、ロシアによるウクライナ侵攻がロシアのサイバー犯罪者に与えた影響を把握するために、ロシア語を使うサイバー犯罪者に人気の交流サイトの投稿を分析した。それによって浮き彫りになった、ロシアのサイバー犯罪者の「ビジネス状況」とはどのようなものなのか。

「所持金はあとこれだけ」 ロシアのサイバー犯罪者の“貧困問題”

 Digital Shadowsによると、ロシアのサイバー犯罪者の「ビジネス」は、ウクライナ侵攻前には好調だった。同社が投稿を分析したサイバー犯罪者の一人は「ウクライナ侵攻前は必要なだけ稼げた」と言う。しかし、攻撃活動がしにくくなったことで収入が著しく減り、電子ウォレット「QIWI Wallet」には「3万ロシアルーブル(約1万2000円)しか残っていない」という状況だ。

 ロシアのサイバー犯罪者が、攻撃の成功によって稼げる金額は大幅に下がっているとDigital Shadowsはみる。例えば、あるサイバー犯罪者によると、ウクライナ侵攻前は、企業の社内ネットワークに侵入した攻撃で平均500ドルは稼げた。ところがロシアルーブルの価格が下落し、同じ攻撃でも得られる収入は大きく減ったという。他のサイバー犯罪者も稼ぎが足りていないことを強調し、「貧乏生活はもうたくさんだ」と述べている。

 Digital Shadowsによると、「サイバー犯罪の業界」はウクライナ侵攻前からアクター(攻撃者)がひしめき、競争の激化による攻撃の低価格化が進んでいた。ウクライナ侵攻を受け、その動きは加速したと同社は分析している。

 ロシアのサイバー犯罪者にとって攻撃活動がしにくくなっているとはいえ、攻撃がなくなるわけではないとDigital Shadowsは言う。ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)攻撃やアカウントの乗っ取りといった攻撃が活発なことは変わっていないという。


 第3回、クレジットカード詐欺を巡る最近の動向を紹介する。

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