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テレワークなら“ハードコア労働”でも幸せに? 調査が示した「矛盾」の正体欧州諸国のテレワーク事情【後編】

これは「テレワークのパラドックス」だ――。欧州8カ国を対象に調査を実施したNFONは、テレワークに関する一見矛盾した事象が、調査で判明したと説明する。それは何なのか。

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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)以降、欧州企業で広がったテレワークは、どのような変化をもたらしたのか。これを明らかにすべく、クラウドPBX(PBX=構内交換機)ベンダーのNFONは2022年、英国を含む欧州8カ国・1000人以上を対象に調査を実施。結果を調査報告書「Well-being Report: Working from Home 2022」にまとめた。この調査では、仕事と余暇の一見矛盾した関係が明らかになった。

テレワーカーは“ハードコア労働”でも幸せ?

 英国の回答者の31.6%(8カ国全体では28%)が「仕事量が増えた」と答え、27.6%(同25.2%)が「仕事時間が増えた」と回答。35.9%(同36%)は「ワークライフバランスが良くなった」(家族や友人のための時間が増えた)と答えた。NFONは、これを「テレワークのパラドックス」と呼ぶ。

 「テレワークをより容易に、迅速に、効率的にする技術を広める存在として、当社は新しい働き方における従業員の負担を記録し、よりよく理解したいと考えている」。NFONのCEOを務めるクラウス・ボン・ロトケイ氏は、こう語る。

 ロトケイ氏は調査結果を踏まえて「欧州企業は仕事環境の質にもっと注意を払う必要がある」と指摘する。同氏は人材、健康、ウェルビーイングの重要性を強調。「これからはテレワークとオフィスワークのバランスを追求する必要がある」と述べる。

 ドイツのウルム大学(Universität Ulm)分子心理学教授で、デジタル技術が人間心理に与える影響を研究するクリスチャン・モンタグ氏は「欧州の企業は、デジタル化と心理の関係を認識しなければならない」と語る。「デジタル時代の燃え尽き症候群、つまりテクノストレスに関する議論は、ますます重要になっている」(モンタグ氏)

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