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通話中に「相手の3D映像」を見て何がうれしいのか? その“さえた答え”「3D」で変わるコミュニケーション【後編】

欧州の通信電話事業者4社が協業して、3D映像を使ったコミュニケーションの実証実験に取り組んだ。なぜ3Dなのか。どのような効果を期待しているのか。

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 ドイツのDeutsche Telekom、フランスのOrange、スペインのTelefonica、英国のVodafone Groupの通信事業者4社は、スロバキアの拡張現実(AR)システムベンダーMATSUKOと提携。AR技術を使った通話アプリケーションの開発を進めている。

 通信事業者4社は、MATSUKOのAR技術を使用して、複数のエンドユーザーが共通の3D(3次元)映像を見ながらコミュニケーションできるようにする実証実験に挑んだ。実験用に4社が用意したアプリケーションは、高速かつ低遅延といった5G(第5世代移動通信システム)の特性を生かして、滑らかに3D映像を再生する。

通話中に「相手の3D映像」を見て何がうれしいのか

 この実験用アプリケーションは、エンドユーザーがスマートフォンのカメラで撮影した自分の2D(2次元)映像を、クラウドサービスを使ってリアルタイムで3D映像に変換して、スマートフォンの画面に表示。現実世界の映像に3D映像を重ね合わせることによって「そこにいるかのような」没入感を実現する。ヘッドマウントディスプレイ(HDM)を使用すれば、没入感をさらに高めることが可能だ。

 2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行以降、われわれが学んだことは「人としてお互いの存在が必要だということだ」と、MATSUKOの共同設立者であるマリア・ビルチコバ氏は述べる。「遠隔コミュニケーションは飛躍的に進歩したが、今日のツールではまだ距離を感じる」とビルチコバ氏は考える。「人の脳は3Dでものを捉える。人が物理的に『そこにいるかのような』感覚が必要だ」(同氏)

 Orangeでマーケティングおよびデザイン担当エグゼクティブバイスプレジデントを務めるカリーヌ・デュセール・サルト氏は、「通信事業者が協業することにより、エンドユーザーがモバイルネットワークでAR通話を利用できる可能性が高まる」と述べる。4社の協業によって、オープンで互換性があり、使いやすいAR通話サービスのためのインフラが整うからだ。「これはメタバース(巨大仮想空間)実現に向けた、極めて重要な第一歩だ」とサルト氏は言い添える。

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