英国政府が「データ分析」に3000億円 その“深い狙い”はこれだ:英国は「データ」をどう生かすのか【前編】
英国政府の調達部門CCSは、データ分析に関する製品/サービスの調達を進める。20億ポンド規模になるとみられる今回の調達で、英国政府は何を実現しようとしているのか。
英国政府の調達部門であるCrown Commercial Service(CCS)が、データ分析に関する製品/サービスの調達に乗り出した。20億ポンド(約3150億円)規模の調達になるとみられる。この調達への参加資格がある企業は49社で、そのうち46%は中小企業だ。契約は2年間で、契約期間満了後、さらに2年間延長する可能性がある。
データ分析に3000億円――英国政府の“深い狙い”とは?
CCSは今回の調達によって、英国の政府や省庁、地方自治体、医療、警察、消防、教育などの公共機関に、データ分析に関する製品/サービスを提供することを目指す。データ分析に特化したCCSの調達は、今回が初となる。
「データは生産性を高めて経済成長を促し、英国の公共サービスに変革をもたらす可能性を秘めている」。CCSでコマーシャルディレクター兼最高技術調達責任者を務めるフィリップ・オラムウェンス氏は、そう期待を寄せる。
今回の調達は、データによる公共機関のイノベーションを支える。「CCSが、公共機関のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する方法を示す一例だ」とオラムウェンス氏は話す。
調達の対象は、ビジネスインテリジェンス(BI)のダッシュボードや、機械学習といった人工知能(AI)技術を活用した製品/サービスなどだ。データ分析を支えるデータマネジメントやデータマイニングなどの製品/サービスも調達する。
後編は、英国政府がデータ分析分野の調達に際して重視する点を紹介する。
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