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PC不況でもLenovoのPCを買い続ける“あの国”とは?苦戦するPC市場 その変化とは【後編】

2022年第4四半期、大きく落ち込んだ世界のPC出荷台数。PCベンダーごとのPC出荷台数の内訳を見ると、国や地域によって市場の動きに微妙な差異が生じていることが分かる。Gartnerの見解を基に、実態を探る。

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 調査会社Gartnerによると、2022年第4四半期(10月〜12月)の世界PC出荷台数は過去最大の減少を記録した。市場の落ち込みはPCベンダーにどのような影響を与えているのか。

PC出荷トップのLenovoも世界的に苦戦 ただし“あの国”は例外?

 販売の不振を受け、PCベンダー各社は「製品価格を大幅に下げ、在庫を減らそうとしていた」と、Gartnerのリサーチ部門ディレクター、北川 美佳子氏は説明する。それでも消費者はPC購入に消極的な姿勢を見せ、本格的な販売増にはつながらなかったという。

 「消費者の大半は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)中にPCを買い替えたばかりだ」と北川氏は指摘。そのため「価格設定が魅力的でも、消費者は購入意欲が湧かない」と同氏はみる。

 2022年第4四半期のベンダー別PC出荷台数を見ると、首位のLenovoは1566万3000台で、24%のシェアを維持した。ただし同社のPC出荷台数は、Gartnerが1990年代半ばに世界PC市場の統計を始めて以来、最大の落ち込み(前年同期比28.6%減)を記録したという。

 GartnerによるとLenovoのPC出荷台数は、日本を除く世界の全地域で減少。EMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)と中南米では、政情不安やインフレが響き、減少率は30%を上回った。

 PC出荷台数2位のHPと3位Dellの出荷台数も、歴史的な急落となった。HPのEMEAでの出荷台数は、前年同期比44%減少。大企業向けの需要低迷が影響したという。

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