TikTokの“使用禁止”は単なる被害妄想なのか? 英国で上がる批判の声:各国が乗り出す「TikTok」規制【第3回】
米国政府や欧州委員会に続き、英国政府も公用端末での「TikTok」利用を禁止した。この措置に対し、複数方面から批判の声が上がっている。それはなぜなのか。
2023年3月、英国政府はショート動画共有サービス「TikTok」の公用端末での使用を禁止した。同年2月には米国政府、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会も同様の措置を取っている。一方で英国政府の内部から、今回の動きに対する批判的な声が出ている。
英国政府の措置に対して“真っ二つ”に割れる意見
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英国政府が公用端末におけるTikTokの使用を禁止したのは、中国政府への情報漏えいの懸念があるためだ。「なぜ政府が保有する端末のみが規制の対象なのか。禁止措置の対象範囲を広げる必要があるのではないか」。英国労働党の副党首で影のランカスター領担当相(ランカスター公領大臣を監視する役割を持つ大臣)を務めるアンジェラ・レイナー氏は、政府の動きに疑問を投げ掛ける。
他にもレイナー氏は、「英国政府の措置は一貫性や迅速性に欠ける」と指摘し、次のように訴える。「英国の安全を守り、中国のような国家と対等に渡り合うには、強力かつ一貫した明確なアプローチが必要だ」
一方で科学革新担当相のミシェル・ドネラン氏は2023年2月、「TikTokの使用に関する規制は個人の選択の問題だ」と発言した。「TikTokのセキュリティに問題がある証拠は見当たらず、禁止措置は行き過ぎている」というのがドネラン氏の主張だ。
TikTokは過去に、英国政府が公用端末でのTikTok使用を禁止したことについて「失望している」とコメントした。中国政府はTikTokの使用を巡る懸念について、「西側の被害妄想だ」と非難している。
第4回は、特にどのようなユーザーがTikTokを使用する場合にセキュリティリスク生じやすいのかを解説する。
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