コンポーザブルERPを「使ってはいけない」と感じてしまう厄介な問題:「コンポーザブルERP」とは何か【中編】
コンポーザブルERPは、ビジネスで成果を出したい企業にとって魅力的なツールになる場合がある。一方で、検討はしても導入しない企業もある。その理由とは。
企業が目的に合わせてさまざまな機能を組み合わせる「コンポーザブルERP」(ERP:統合基幹業務システム)は、ビジネスの成果を最大化したい企業にとって魅力的なツールになる可能性がある。だがコンポーザブルERPに魅力があっても、その導入に悩む企業もある。その理由について解説する。
企業が「コンポーザブルERP」に感じる扱いにくさ
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コンポーザブルERPは、機能追加や仕様変更といった豊富な選択肢を企業に提供し、ビジネスの利益や価値のより迅速な創出と、ベンダーロックインからの脱却を支援する。一方で、導入時にはユーザー企業が綿密な計画を立てなければならない他、継続的な管理が必要になる。
ほとんどの場合、コンポーザブルERPの導入を検討する企業は、複数のベンダーの製品を併用するマルチベンダーの構成でシステムを運用する。異なるベンダーのシステムを連携させるのは簡単なことではない。厳しい経済状況が続く中で、企業はプロジェクトの中断や納品遅延を回避する必要があり、そのためにはシステムの複雑さを抑えることが不可欠だ。
特に不況時において、企業はビジネスや業務に影響を及ぼす意思決定を先送りにする傾向にある。しかし、主要なERPベンダーはその意思決定を待ってはくれない。近年、各ERPベンダーは既存製品のサポート終了を宣言している。ユーザー企業は特定ベンダーのSaaS(Software as a Service)型ERPを導入するか、コンポーザブルERPを選択して独自に技術活用をするか、決断を余儀なくされている状況だ。
後編は、企業がコンポーザブルアプリケーションを導入する際の検討事項を、より詳細に紹介する。
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