「生成AIなんて要らない」派の企業の言い分:「もろ刃の剣」の生成AI【前編】
生成AIがビジネスにもたらすメリットはさまざまだ。一方で生成AIの導入に対して消極的な姿勢を示す企業は一定数存在する。その理由とは。
テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「ジェネレーティブAI」(生成AI)は、ビジネスにさまざまなメリットをもたらす可能性を秘めている。だが生成AIの導入に消極的な企業が目立っている。生成AIにメリットを見込む企業がある一方で、生成AIの導入になかなか踏み込まない企業もあるのはなぜなのか。
「生成AIに消極的な企業」が目立つ結果に
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生成AIを巡る動向
2022年11月、AIベンダーOpenAIは、AI技術を活用したチャットbot「ChatGPT」の提供を開始した。ChatGPTは、膨大なデータを事前に学習することで文章生成を可能にする「大規模言語モデル」(LLM)を中核としている。ChatGPTの登場以降、さまざまな企業が生成AIのメリットに目を向けるようになった。
OpenAIが開発したLLM「GPT-4」は、人に劣らない正確さで自然言語を理解したり生成したりできる。特に大量の自然言語を扱う業種において、生成AIがビジネスチャンスを生み出すことは間違いない。
生成AIを活用してセキュリティ運用業務を効率化する取り組みは既に登場している。一例が、Microsoftが提供するセキュリティ業務向けAIチャットbot「Microsoft Security Copilot」だ。Microsoft Security Copilotは自然言語処理能力を利用して、セキュリティプロセスの簡素化や自動化を支援する。これによりセキュリティ部門の負荷を軽減し、セキュリティ担当者は技術的要件が厳しい案件や、重要な意思決定に専念できるようになることが期待される。
企業におけるAI技術の導入が迅速には進まないという見方もある。コンサルティング企業PA Consulting Groupが2023年3月に米国の回答者2000人を対象に調査を実施。調査から、大半の回答者は現在のビジネスプロセスにAI技術を組み込むことに消極的である状況が浮き彫りになった。具体的には、「AIに恐怖を感じる」と答えた回答者は69%、「十分な知識を持っていないため、AIを信頼できない」と答えた回答者は72%に上った。
中編は、生成AIがもたらすリスクの詳細と、セキュリティへの影響を紹介する。
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