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「VMware製品をクラウドで使う難しさ」はBroadcomの買収でどうなるのかBroadcomによるVMware買収がもたらす変化【第2回】

VMwareはマルチクラウドで利用できる製品やサービスの提供に力を入れているが、複数のインフラで同社製品を利用するときの複雑さは残っている。こうしたVMware製品の課題は、Broadcomの買収でどう変わるのか。

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 Broadcomによる買収が発表されているVMware。同社には、サーバ仮想化の技術をIT市場にもたらし、ユーザー企業のインフラ戦略を支えてきた実績がある。同社はサーバ仮想化ソフトウェアの他にも、昨今はコンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」を利用するための製品群「VMware Tanzu」や、ハイブリッドクラウド(オンプレミスインフラとクラウドサービスの併用)を管理するソフトウェア群などにも注力してきた。VMware製品が抱える「クラウドに関連する問題」は、Broadcomの買収によってどう変わるのか。

VMware製品をクラウドで利用する“難しさ”は買収で変わるのか

 一般的に、VMware製品が広く導入されているのはクラウドサービスではなく、大企業や中小企業などのユーザー企業が自社で運用するデータセンターだ。時代が進むにつれて、大手クラウドベンダーが提供するIaaS(Infrastructure as a Service)は、オンプレミスインフラと共に企業のインフラとして採用されるようになった。大企業や中小企業は、自社のアプリケーションをオンプレミスインフラからIaaSに移行させている。

 VMwareはこうした状況に合わせて、プライベートクラウドやマルチクラウドに適した製品を開発している。ただし異なるインフラで仮想マシン(VM)を構築することや、インフラ管理を自動化することは複雑な作業になる。マルチクラウドにおけるVMware製品の課題は、ユーザー企業のアプリケーションを複数のインフラ間で容易に移行できるようにすることだ。

Broadcomは今後、どのような方針を取るのか

 VMwareの研究開発チームは、主要クラウドベンダーと比べて規模が小さい。事業を拡大するには多額の資金が必要になるが、VMwareにはその余裕がなかった。同社は多額の投資が可能な企業と協業することで、マルチクラウドに適した製品の開発提供を進められるようになる可能性がある。BroadcomはVMwareを支援し、VMware製品が抱えるマルチクラウド関連機能の課題を解消することになる。


 今回の買収に対して、欧州委員会(EC)と英国競争市場庁(CMA)が調査に乗り出している。第3回は規制当局がBroadcomによる買収に批判的な理由を説明する。

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