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IT業界の男女報酬格差 その裏にある本当に解決すべき課題とは女性雇用がスキルギャップを埋める【第3回】

IT業界は「男女平等にチャンスがある」と考える人もいる。だが調査によると平均年収は男女で大きく差が付いていた。その裏にある本当に解決すべき課題を紹介する。

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 英Computer Weeklyと米TechTargetが実施した「IT分野の報酬に関する年次調査」によると、英国の技術職労働者は自社技術チームにおける女性の成長を前向きに捉える傾向にあった。さらに回答者は「女性にも男性にも平等にチャンスがある」と考える傾向にあった。具体的には、「自社内では資格が同じであれば、女性も男性も同じ報酬が得られる」と回答者の63%が考えている。一方で、「報酬は平等ではない」と答えた回答者も10%いた。

男女の報酬格差はある その裏にある“本当の課題”とは

 調査回答者の報酬に目を向けると、女性回答者の平均年収は6万1640ポンドだったのに対し、男性回答者の平均年収は8万6392ポンドだった。

 2023年に発表された調査レポートの回答者は経験豊富な人が比較的多く、技術職に15年以上携わっていた人が70%、管理職は49%いた。それが、前述の平均年収に影響した可能性がある。男女間に報酬格差が生まれるのは、ほとんどの場合、高収入の地位に女性が昇進する可能性が低いか、高収入の地位に達する前に女性が業界を去ってしまうことが理由だ。

 SkillsoftでEMEA(ヨーロッパ、中東、アフリカ)担当エリアバイスプレジデントを務めるアガタ・ノワコフスカ氏は、「回答者の大多数が『自社内では報酬やチャンスが男女に平等に与えられている』と考えているのは心強い」と語る。ただし、「代表権については課題が残っている。IT業界に代表権を持つ適切な女性がいなければ、今後も変わらず女性は少数派のままだ」とノワコフスカ氏は指摘する。

 ノワコフスカ氏は、女性が技術系キャリアを目指したり、業界に参入したりすることを妨げる根本的障壁に対処することは、企業にとって非常に重要だと考えている。そのためにまず始めるべきは、職場に包摂性(インクルージョン)の文化を醸成することだ。そうすれば、女性にとっての技術系キャリアの魅力が高まると同氏は語る。「ビジネスリーダーはさらに、多様性のあるリーダーシップチームの育成を優先する必要がある」(同氏)

 「明確に定義された能力開発の機会や指導プログラムに全ての従業員が参加できるようにする必要がある。目的を絞った後継者育成プログラムや学習計画によって、偏見を克服し、女性が自身の職務で成長してより重要な責任を担えるようになる。その結果として、最終的に女性が指導的地位に就く道が開かれる」(ノワコフスカ氏)


 次回は、IT業界のダイバーシティーの取り組みがどの程度進んでいるのか、読者調査を基に紹介する。

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