医療現場の「生成AI」活用例と注視すべき点【後編】
「生成AI」が招く“4大リスク”とは? 医療現場は要注意
コミュニケーションが頻発する医療現場では、対話が可能な生成AIへの期待が高まりつつある。ただし医療機関が生成AIを活用するに当たっては、幾つかの課題を考慮する必要がある。4つのリスクにまとめて紹介する。
社会のさまざまな場面で、テキストや画像などのデータを自動的に生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)を活用する動きが広がりつつある。患者や介護者とのコミュニケーションが頻繁に発生する医療分野も例外ではなく、生成AIを活用できる可能性がある。ただし、使用に当たって考慮すべき4つのリスクがある。
1.間違った情報
併せて読みたいお薦め記事
連載:医療現場の「生成AI」活用例と注視すべき点
医療分野と生成AI
AIベンダーOpenAIが開発したチャットbot型AIサービス「ChatGPT」をはじめとした生成AIツールが使用する大規模言語モデル(LLM)は、事実と異なる回答の基になる可能性がある。医療分野で生成AIを使うに当たっては、事実と異なる回答を見過ごすことはできない。「この患者はペニシリンに対してアレルギーがない」と生成AIが回答したものの、事実はその逆であった場合、致命的なことになりかねないからだ。
2.コスト
生成AIツールや、それを稼働させるデータセンターの運用に掛かる費用は膨らみがちだ。特に医学的なコミュニケーションを実施可能なAIチャットbotは、一般的な話題を扱うAIチャットbotよりも、導入と維持に掛かる費用が高くなる可能性がある。
3.プライバシー
サイバー攻撃者がAIチャットbotに侵入し、患者個人を特定できるような個人情報を流出させる場合がある。サイバー犯罪者がAIチャットbotで取得する情報の中には、患者がAIチャットbotに話した質問や回答も含まれる。患者の健康記録に関するデータが流出した場合は、病院や薬局が訴訟や罰金のリスクにさらされることになる。
4.法的な枠組み
AI技術を搭載するソフトウェアが、医療分野において重要な情報を扱ったり自律的な役割を担ったりすることを正当化する、法的な枠組みや規制は存在しない。AI技術を搭載するソフトウェアを使用する企業が被る可能性のある損失を軽減する保険の仕組みも整っていない。
医療業界では、生成AIに期待する声が少なくない。生成AIの活用拡大に向けて、生成AIに関する規制やポリシーの策定が必要だ。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] 複雑化しがちな「SASE運用」 IT・医療・金融などの事例に見る導入成功の秘訣 -
製品資料
[フォーティネットジャパン合同会社] 「SD-WAN」導入で失敗しないための5つの重要事項 -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] VPNの代替候補「ZTNA」を理解できるようになる“3大要素”とは? -
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] すぐ分かる「SD-WAN」選定のポイント 成功企業はどんな成果を出した? -
製品資料
[SCSK株式会社] 「Dropbox」管理・運用の困りごと解決ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
-
4
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
Microsoft月例パッチ1400件超で過去最多 「限界点」を迎えたパッチ管理
-
7
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
8
RAGで「データをAIに送る」運用が限界を迎えている理由
-
9
SAP導入後も残る“Excel依存” 京急電鉄は「kintone」でどう解消した?
-
10
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー