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“AI活用の鬼”Secureworksが「AIを語りたがらない」なるほどの理由SecureworksのCEOに聞く「XDRの今」【後編】

「AIの波」はセキュリティ業界にも押し寄せている。「XDR」に注力しているセキュリティベンダーSecureworksのCEOは、AI技術の活用についてどのような見解を持っているのか。

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人工知能 | CEO | セキュリティ


 Dell Technologies傘下のセキュリティベンダーSecureworksは、「XDR」(Extended Detection and Response)製品の開発や販売に注力している。XDRはPCやスマートフォンといったエンドポイントだけではなく、クラウドサービスやネットワークも含めてシステム全体において脅威を分析し、対処できるようにする。XDR製品に新たな可能性をもたらそうとしているのは、人工知能(AI)技術だ。Secureworks のCEO(最高経営責任者)ウェンディ・トーマス氏は、AI技術をどう見ているのか。

「AI」について多くは語らなかった理由

―― セキュリティ業界ではAI技術を製品に取り入れる動きが広がっています。AI技術の可能性をどう見ていますか。

トーマス氏 AI技術そのものが新しいわけではない。その進化によって今、活用の議論が活発化している。セキュリティ業界では、AI技術を深く理解している人はまだ多くはない。Secureworksに関して言えば、2019年にXDR開発プロジェクトを始めたときからAI技術の活用に取り組んできたが、AI技術という言葉は誤解を招きやすいので、当社は積極的にはAI技術という言葉を使わなかった。機械学習や統計的学習を含めて、AI技術や手法はSecureworksにとって新しいものではない。

 セキュリティベンダーのCEOとして、私はAI技術に可能性があることを実感している。AI技術はこれからも進化を続け、社会全体に大きなインパクトをもたらすに違いない。ただし当社が考えるべきことは「AI技術そのもの」ではなく、それに基づいたデータ保護の強化や脅威分析の自動化によってXDR製品をどう強化できるのかだ。

 AI活用の議論を巡って、AI技術によるさまざまなリスクがよく指摘される。AI技術が間違った判断をしたらどうなるのか。偽情報の広がりをどう防げるのか。AIチャットbotサービス「ChatGPT」を使ったことがある人なら、誤った回答をもらった経験があるだろう。私がとても重要だと考えているのは、AI技術による回答が正しいかどうかを判断する力だ。人間がその力を身に付けることができれば、AI技術を恐れる必要はない。

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