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全然壊れない「頑丈ノートPC」が存在する理由 なぜ普通は“きゃしゃ”なのか?「頑丈ノートPC」の概要と主要製品6選【第1回】

乱暴に扱われても壊れにくい「頑丈ノートPC」が存在する。なぜベンダーは全てのデバイスを頑丈に作らないのか。頑丈ノートPCが使われるのは、どのような用途なのか。

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 衝撃を受けても動き続ける(It takes a licking and keeps on ticking)――。これは米国の腕時計メーカーTimex.comの有名なキャッチコピーだ。このうたい文句に適する“頑丈な製品”は、ノートPCやタブレットといったデバイスの市場にも存在する。ここではそうした製品を「頑丈ノートPC」と言っておこう。頑丈ノートPCは落下したり乱暴な扱いを受けたりしても簡単に壊れないような設計を採用している。一方で、「なぜ全てのデバイスが頑丈ではないのか」という疑問が浮かんでくる。

なぜ「頑丈ノートPC」があり、大半は“頑丈じゃない”のか?

 単純な事実として、ノートPCやタブレットを頑丈にするには一般的なデバイスよりも設計と生産にコストがかかる。頑丈ノートPCの販売価格は一般的なデバイスと比較しておよそ1.5倍高くなる傾向にあるため、消費者も本当に必要でない限りは購入を避ける。通常のデバイスが頑丈な仕様にはなっていないのはそのためだ。

 頑丈デバイスはもともと、戦場など過酷な環境下での使用を想定したものだった。近年は、宅配便のドライバーや電力会社の技術者が頑丈ノートPCを使用する場面をよく目にする。以下は、頑丈ノートPCの活用が盛んな分野だ。

  • 軍事・防衛
    • 遠隔地や通信環境の悪い土地にいる操縦士や軍人が、作戦計画や情報を伝達するために使用する。
  • 公共安全・緊急救命
    • 災害現場や救命現場で、警察や消防士、救急隊員が情報の伝達、管理に使用する。
  • 製造業
    • 工場やプラント、建設現場など、過酷な温度条件下や粉じんのある環境下で、機械や設備を監視・制御するために技術者や現場作業員が使用する。
  • インフラ
    • 通信や配線・配管、電気、ガス、水道、建設関係などの現場作業員が、テスト機器や工具、交換部品を使って作業する際に使用する。
  • アウトドア
    • 実地調査をするフィールドサイエンティストがデータ収集のために使用する。
    • アウトドア志向の旅行客がエンターテインメント用途や通信のために使用する。

 第2回は、頑丈PCの選定時に考慮したいポイントを解説する。

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