なぜ今「NaaS」なのか? 2010年代とは違う“2つの変化”とは:NaaSの本質と誤解【第2回】
NaaSという考え方は以前からあったが、企業からの関心が強くなってきたのは近年だ。背景には、企業ネットワークに起きた変化がある。
ネットワークの接続やインフラをサブスクリプション形式で利用する「NaaS」(Network as a Service)への関心が、企業の間で高まっている。
NaaSという考え方は2010年代半ばからあった。調査会社Gartnerが2022年に発表した企業の有線LANと無線LANインフラに関するレポート「2022 Gartner Magic Quadrant for Enterprise Wired and Wireless LAN Infrastructure」によれば、NaaSが企業向け市場に登場したのは2019年以降のことだ。NaaSが登場してから企業向けに提供されるまでの期間、企業ネットワークには2つの変化があった。
企業ネットワークに起きた変化とは
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連載:NaaSの本質と誤解
NaaSの基礎と本質
企業ネットワークに起きた1つ目の変化は、オフィスワークとテレワークを組み合わせたハイブリッドワークへの移行だ。ハイブリッドワークは企業のネットワーク管理を複雑化させた。「管理チームは、さまざまな場所に分散する自社のエンドポイントを管理しなければならなくなり、ネットワーク環境の再構築を検討し始めた」と、NaaSベンダーPacketFabricの市場調査・分析担当シニアディレクターであるケン・グレー氏は語る。
2つ目は企業のデジタル化が進み、NaaSが現実的な選択肢となったことだ。企業がビジネスのさまざまな分野でデジタル化を進め始めたので、新たなビジネス要件を実現するために企業ネットワークの近代化を検討するようになった。
「デジタル化が進むと、予測不可能なことが発生する。プロジェクト、場所、帯域幅、データなどに関して、新たなニーズが生まれる」と、グレー氏は語る。WAN(ワイドエリアネットワーク)が従来のままでは、企業の変化するビジネスに追い付けないと同氏は指摘する。
第3回は、NaaSの料金モデルについて説明する。
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