「YouTube」はSNS? 老いも若きも愛する“老舗SNS”6選の特徴を紹介:SNSの栄枯盛衰を振り返る【第2回】
老舗の風格がただよう主要なSNSといっても、家族の誰かが毎日アクセスしているほどなじみ深いものから、日本ではあまり知名度のないものまでさまざまだ。筆者の独断で選んだ6つの“老舗SNS”の特徴を紹介する。
「電子掲示板」(BBS:Bulletin Board System)や「IRC」(Internet Relay Chat)が主役だった時代から、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が普及する今に至るまで、われわれの日常生活にソーシャルメディアは欠かせない。時間の経過と共に幾つもの新サービスが生まれては消えていったが、コミュニケーションの基盤と言えるほどの存在として生き残ったものもある。
本稿は、近年まで一定の人気を保っているSNSを6つ挙げ、筆者の見解を交えつつ特徴を紹介する。
ビジネス向けSNS「LinkedIn」
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LinkedInはビジネスに特化したネットワーキングツールの元祖であり、サービスを開始した2003年から20年にわたり安定した支持を得ている。企業としてのLinkedInは、2016年12月にMicrosoftが買収を完了し、同社子会社となった。
LinkedInで特定のユーザーに連絡するためには、双方のユーザーが「つながる」ための申請を実施し、承諾し合う必要がある。公開している投稿内容を見るだけであれば、投稿主のユーザーを「フォロー」すればよい。メッセージツール、コメント欄、求人掲示板などを使ってコミュニケーションを取ると、専門分野に関する人脈を広げたり、気になるユーザーのキャリアをフォローしたりするのに役立つ。
老舗SNS「Facebook」
2022年12月の記録で平均1日平均20億人のアクティブユーザーを持つFacebookは、世界で最も有名なSNSの一つといえる。FacebookはMeta Platformsの創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏が、2004年にハーバード大学の学生寮で立ち上げたサービスだ。当初は同大学の学生だけが利用できたが、その後米国の各大学にサービスを拡大。誰もが利用できるSNSとなった。
Facebookではユーザー同士が「友達」になったり、写真や動画を共有したりすることが可能だ。ユーザーの投稿に反応したり、イベントを開催したりすることもできる。企業から趣味のグループまで、大小さまざまなコミュニティーがページを作り、Facebookの巨大なネットワークの中で人脈を構築している。ユーザーは無償で利用できるが、ユーザーの身元を証明する有償の「認証バッジ」サービスもある。
Facebookは広告やユーザーデータの販売を主な収益源としている。このことでMeta Platformsは、ユーザーデータの取り扱いやデータ流出に関する問題を巡ってたびたび批判にさらされている。
動画共有サイト「YouTube」
動画コンテンツの共有とコミュニケーションができる代表的なSNSといえばYouTubeだ。2005年2月に設立し、翌年Googleが買収した。月間訪問者数は25億人以上という説もある。YouTubeの日本版公式ブログが2017年2月に公開した記事によると、YouTubeユーザーが視聴する動画の合計時間は1日当たり10億時間以上に及ぶ。調査会社Statistaが公開している資料「Most popular websites worldwide as of November 2023, by total visits」によれば、YouTubeは2023年11月時点で「Google.com」に次いで世界で2番目に訪問者が多いWebサイトだ。
YouTubeの主なサービスは動画配信だが、動画のコメント欄やライブストリーミング配信のチャット欄、チャンネル登録者へのアンケートやクイズを発信する「コミュニティ投稿」といった媒体を使ってコミュニケーションできる点がSNSらしさといえる。お気に入りの配信者のアカウントを「チャンネル登録」したり、自分でチャンネルを作ったりすることも可能だ。個人のクリエイターや企業が配信を通じて収益を得られる仕組みを備えており、YouTubeで高額を稼ぐインフルエンサーが誕生している。
ソーシャルニュースサイト「Reddit」
Redditは、いわば昔ながらのシンプルな「テキスト主体の大型掲示板」だ。幅広いトピックとコミュニティーがあり、“ニッチなテーマで集まる場所を求めているユーザー”に愛されている印象がある。
Redditのユーザーアカウントを持っていなくてもコミュニティーの投稿を閲覧できるが、アカウントを取得すれば、投稿やコメントにプラス評価(Upvote)やマイナス評価(Downvote)を投票可能だ。投票結果に応じて、投稿の表示順が変わる。特定トピックの中で、議論を目的とするコミュニティーの「subreddit」(サブレディット)を作成すると、テキストや写真、動画を投稿したり、URLを共有したりできる。「2023年7月からAPIの利用とデータへのアクセスを有料化する」という発表が同年4月にあり、アプリケーション開発者やユーザーが抗議活動を起こしたことが話題になった。
短文投稿サイト「X」(旧Twitter)
Xはツイート(短文投稿)ができるSNSだ。画像、動画、URLなども共有できるが、なんといってもXの主役はテキストだ。“投稿の短さ”が特徴のサービスであり、クリエイターからの人気を集めている。
ツイート欄に入力できる文字数は半角280文字(全角140文字)のため、シンプルに記述する必要がある。ユーザー同士の相互フォローは必須ではなく、気になるユーザーを一方的にフォローして、相手のツイートを「タイムライン」(ニュースフィード)で閲覧できる。フォローしていないユーザーのツイートも閲覧可能だ。この仕組みが、ツイートを通じてアカウントのファンを増やしたり、アカウントに付随するパブリックイメージを確立したりするのを簡便にしているといえる。もちろん、誰かのツイートに返信したり、ダイレクトメッセージを送付したりするコミュニケーション機能もある。
起業家のイーロン・マスク氏は、2022年10月27日(現地時間)に旧Twitter社を買収。かつて「青バッジ」と呼ばれていた認証バッジ制度に代わる仕組みとして、広告なしのコンテンツやツイート削除などの機能を提供するサブスクリプションサービス「Twitter Blue」を開始した。Twitter Blueはその後、月額料金やサービス内容に幾つかの変更が加わっている。
短文投稿サイト「Tumblr」
「Tumblr」も短文投稿サイトの一つで、テキストや画像などを投稿できる。Xのように新着情報や人気の投稿がニュースフィードに自動で配信されるのではなく、ユーザー自身が見たい投稿をダッシュボードで設定することが可能だ。自分のアカウントを明かさず、匿名で他のユーザーに質問することもできる。
第3回は、画像や動画などの共有に特色のあるSNSを紹介する。
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