「ChromebookでWindowsアプリを使いたい」が本当にかなう方法はこれだ:ChromeOSでWindowsアプリ継続【後編】
Microsoft OfficeといったWindows向けのアプリケーションをChromebookでも利用する方法がある。Cameyoのアプリケーション仮想化ツールの機能や利用方法、安全面の対策などを紹介する。
仕事用のPCとして、クライアントOSを含めてさまざまな選択ができるようになってきた。例えば従来、オフィススイート「Microsoft Office」を使うのであれば「Windows」搭載PCを選択するのが一般的だった。だが新たに登場した技術によって、GoogleのクライアントOS「ChromeOS」を搭載したデバイス「Chromebook」でMicrosoft Officeを使うといった選択ができる。利用できるアプリケーションは、Microsoft Officeに限らない。
その方法を提供するアプリケーション仮想化ツールベンダーCameyoのツールについて、利用できる機能や利用方法、安全性への対策などについてまとめた。
Chromebookで「Windowsアプリ」を利用する“仮想化の方法”
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ChromebookでWindowsアプリを利用する
異なるOSを搭載したデバイスで同一のアプリケーションを利用するための手段になるのがアプリケーション仮想化だ。Cameyoの機能「ChromeOS Virtual App Delivery」(以下、VAD)を使うことで、Windows向けのデスクトップ版アプリケーションをChromebookで使うことが可能になる。
Cameyoの導入方法
Cameyoの導入方法としては、「完全ホスティング版」(Fully Hosted)と、「セルフホスティング版」(Self Hosted)の2つの選択肢がある。それぞれの違いは以下の通りだ。
- 完全ホスティング版
- 完全ホスティング版では、ユーザー企業が自社保有のITインフラを用意する必要がない。CameyoはサーバやアプリケーションをGoogleのクラウドサービス群「Google Cloud」のインフラで提供する。サーバ数は、必要に応じて変更することができる。配信するアプリケーションのライセンスはユーザー企業が用意する必要がある。
- セルフホスティング版
- セルフホスティング版では、ユーザー企業がインフラを用意する必要がある。オンプレミスのサーバや、パブリッククラウドやプライベートクラウドのインフラから選択することができる。セルフホスティング版は、自社保有のインフラを既に保有しているユーザー企業に適している。
Cameyo利用開始の流れ
Cameyoの利用を開始する大まかな流れは以下の通り。
- Cameyoのライセンス購入後に届くメールの案内に従って利用開始の手順を進めると、管理コンソールに接続できるようになる。
- 完全ホスティング版かセルフホスティング版を選択して、サーバの設定を実施する。
- 管理者コンソールに接続した後、利用するアプリケーションを公開する。
- アプリケーションを従業員に配信する。
アプリケーションのセキュリティ
Cameyoは、インターネットに接続するデバイスに対する攻撃のリスクを減少させるために、複数の対策を採用している。
- エンドユーザーを信頼しない
- 状況に応じてエンドユーザーに認証を求める。必要なシステムやデータへのアクセスのみを付与する「最小特権の原則」に基づいてアクセスを制限する。
- VPNを不要にする
- ファイアウォール内のエンドユーザーにWebアプリケーションへの安全なアクセスを提供するサービス「Cameyo NoVPN」を使うことでVPNが不要になる。
- インターネットに露出したファイアウォールのポートを閉じる技術「Secure Cloud Tunneling」によってVPNを不要にする。
- 攻撃対象領域を削減する
- 攻撃対象領域を削減する
- 「Cameyo Port Shield」という機能によって、「HTTP」(Hypertext Transfer Protocol)と「RDP」(Remote Desktop Protocol)のポートを静的にではなく、必要に応じて動的に開閉する。HTTPはWeb情報をやりとりするためのプロトコル、RDPはコンピュータに遠隔から接続するためのプロトコル。
- 通信の安全性を確保する
- サーバはHTTPの通信を暗号化する「HTTPS」(Hypertext Transfer Protocol Secure)を通じてアプリケーションを配信し、RDPの安全な使用を可能にする。
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