「AI」のエキスパートになるなら、どの知識とスキルを極めるべき?:仕事に役立つ「AI」資格10選【中編】
ビジネスにおけるAI技術活用が進む中で、ますます重要になっているのがAI技術関連の知識やスキルだ。大学などの教育機関が提供する5つのAIコースを紹介する。
人工知能(AI)技術は、さまざまな業界のビジネスに変革をもたらしている。各組織においてそうした変革を担うためのAI技術関連のスキルや知識はますます重要になり、それと同時に「認定資格」や「学習コース」の需要が高まっている。AI関連の認定資格を取得できる主要な学習コースを5つ紹介する。
1.スタンフォード大学の「Artificial Intelligence Graduate Certificate」
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「Artificial Intelligence Graduate Certificate」は、スタンフォード大学(Stanford University)工学部が提供するAI技術関連コース。修了までには1、2年かかり、受講と課題に週15〜20時間程度充てる必要がある。
主な学習内容
AI技術に関連する以下のような技術を学ぶことができる。
- 機械学習
- ロボット工学
- 確率モデル
- 自然言語処理(NLP)
- 知識表現(人間語を機械語に変換すること)
AI技術が問題解決や推論、学習、対話(インタラクション)をどのように実施するのかや、アルゴリズムの設計やテスト、実装方法までが学習対象となる。
修了要件
学習コース内の「必須コース」のうち1つか2つと、「選択コース」のうち2つか3つを修了する必要がある。スタンフォード大学の学生以外でも受講できるプログラム「Non-Degree Option」で受講を継続するには、各コースでB(3.0点)以上の成績を収める必要がある。
受講資格
応募者は学士号を持ち、GPA(成績評価点)3.0以上を取得する必要がある。大学レベルの微分積分と線形代数を修めており、多変数関数の微分、行列/ベクトル記法と演算を十分に理解していること、確率論と基本的な確率分布に精通している必要がある。
OS「Linux」のコマンドラインインタフェース(CLI)や、「Java」「JavaScript」「C」「C++」「Python」などプログラミング言語に精通している必要もある。コースによっては、その他の受講資格が必要な場合もある。
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
2.MIT xPROの「Designing and Building AI Products and Services」
マサチューセッツ工科大学(MIT)のプロフェッショナル開発プログラム「MIT xPRO」が提供する、8週間のオンライン学習プログラム。週に6時間程度を充てる必要がある。
主な学習内容
さまざまな業界におけるAI技術の設計原理と応用について学習する。具体的な内容は以下の通り。
- AI技術をベースにした製品設計
- 深層学習(ディープラーニング)など機械学習アルゴリズムの基礎
- 問題解決に向けたインサイト(洞察)の適用方法
受講生は医療や教育など幅広い分野におけるAI評価方法を学ぶ。機械学習手法を実際の問題に適用したり、「ヒューマンマシンインタフェース」(HMI:人間からの指示を機械に送り、機械からの結果を人間に送る部分)を設計したりして、AI技術に関する製品やプロセスの設計・構築を実践できる。
受講資格
主にユーザーインタフェース(UI)/ユーザー体験(UX)デザイナー、テクニカルプロダクトマネジャー、専門家、技術コンサルタント、起業家、AIスタートアップの創業希望者を対象としている。
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
3.Berkeley Executive Educationの「Artificial Intelligence: Business Strategies and Applications」
Berkeley Executive Educationは、カリフォルニア大学バークレー校(The University of California, Berkeley)が提供する経営教育プログラム。約2カ月間のコースで、週4〜6時間を当てる必要がある。
自社でAI技術を活用しようとしている上級職や、AIプロジェクトを率いるマネジャーが対象となる。
主な学習内容
AI技術を使った機能やアプリケーションの可能性と注意点を踏まえて、実際のビジネスへの応用について学ぶ。AIチームの構築から、AIアプリケーション開発プロジェクトの組織や管理についても学ぶ。技術者や同業者と効果的にコミュニケーションを図れるよう、以下のような技術についても学ぶ。
- 機械学習
- ディープラーニング
- ニューラルネットワーク(人間の脳の神経細胞を模した、機械学習の要素技術)
- コンピュータビジョン(画像処理を通じて対象の内容を認識して理解するAI技術)
- ロボット工学
受講資格
主に経営幹部、上級職、業務部門の責任者、データサイエンティスト、データアナリスト、中堅レベルのAI専門家を対象としている。
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
4.Courseraの「IBM Applied AI Professional Certificate」
Courseraは誰でも受講可能な大規模公開オンライン講座(MOOC)を配信する団体。「IBM Applied AI Professional Certificate」は、IBMによる認定を受けた初級レベルのAIコース。約6カ月間のコースで、週に4時間程度充てる必要がある。
主な学習内容
- AI技術の定義やAI技術の用途の他、機械学習やディープラーニング、ニューラルネットワークといった専門用語の理解
- IBMのAIサービス群「Watson」の各サービスとAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)、およびPythonを使用した、最小限のコーディングによるAI搭載ツール構築
- プログラミングなしの仮想アシスタント、AIチャットbot作成と、Webサイトへのデプロイ(展開)
- Python、コンピュータビジョンライブラリ「OpenCV」、Watsonを用いたコンピュータビジョンの実践
- 画像を識別する「カスタム画像分類モデル」の開発と、クラウドサービスへのデプロイ
受講資格
技術的なバックグラウンドがなくても受講できるが、一部の授業では、AIアプリケーションを開発、デプロイするためにPythonの知識が必要になる。プログラミングの経験がない受講者のために、Python入門の授業もある。
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
5.Courseraの「AI for Everyone Cours」
「AI for Everyone Cours」は、Courseraが提供する非技術者を対象とした約6時間のコース。
主な学習内容
ニューラルネットワークや機械学習、ディープラーニング、データサイエンスなど、一般的なAI関連の用語の意味を学ぶ。
その他の学習内容は以下の通り。
- AI技術でできること、できないこと
- 企業の課題解決にAI技術を適用する方法
- データサイエンスプロジェクトやAIプロジェクトのワークフロー
- AIチームとの連携方法と、組織におけるAI戦略の構築方法
- AI技術を巡る倫理的・社会的議論とその対処
受講資格
特になし。
本コースの公式Webサイトは「こちら」。
後編は引き続き、AI関連の認定資格コースを紹介する。
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