「有給休暇が無制限」はありか、なしか?【前編】
究極の働き方「休み放題」で“社員も会社も幸せになる”のはなぜ?(1/2 ページ)
有給休暇を無制限にする制度を取り入れる動きがある。この制度の導入に歓喜する従業員はいるはずだ。企業側にはどのようなメリットがあるのか。なぜこの制度が従業員と企業に受け入れられるのか。
「明日どうしても休みたいが、有給休暇の残日数がもうほとんどない……」。そんな心配をせずに、いつでも好きなだけ有給休暇を取得できる仕組みがある。この仕組みは「無制限有給休暇」(UPTO:Unlimited Paid Time Off)と呼ばれ、動画配信サービス運営会社Netflixやマーケティング支援ベンダーHubSpotなどが導入している。
無制限有給休暇を“夢のような制度”だと感じる従業員はいるはずだ。だがこの制度には、従業員にとっても企業にとってもメリットになる幾つかのポイントがあり、企業側としてはこの制度を導入する十分な理由がある。なぜこの制度はうまくいくのか。
「休み放題」で社員も会社も幸せになる理由
従業員の働き方の自由度を高め、ワークライフバランスを向上させる革新的な取り組みが無制限有給休暇だ。この制度がもたらす主なメリットは4つある。
メリット1.従業員の定着率が向上する
テレワークとオフィスワークを組み合わせる「ハイブリッドワーク」やテレワークの普及に伴い、従業員の都合に応じて勤務時間を調整するという考えも広がりつつある。無制限有給休暇は、こうした新しい仕事との向き合い方に適合する制度だ。
人事労務を専門とする法律事務所Fisher Phillipsのアソシエイトを務めるシェイ・コブ氏は、「従業員は企業からの自律と自由を求めている」と指摘する。「従業員の自律性を高めることが従業員の定着につながる。その結果、人事採用のコストを減らすことができるようになる」(コブ氏)
メリット2.多様な働き方のニーズを満たす
人事コンサルティング企業Mercerのヘルスケア部門シニアパートナー、リッチ・フュルステンバーグ氏によると、無制限有給休暇は従業員のさまざまなニーズに応えるものだ。
小さな子を抱える従業員や高齢の親を介護する従業員など、企業にはさまざまな事情を抱えながら働いている従業員がいる。このような従業員ごとの事情に合わせて働けるようするための制度として、企業は無制限有給休暇を活用できる。
メリット3.企業から従業員への信頼を示す
従業員に無制限有給休暇を与えることは、「自社の従業員は時間を適切に管理できる」という信頼の提示だ。経営陣がこうした信頼を示せば、従業員の士気やエンゲージメントが高まる可能性がある。
「無制限の有給休暇を提供することで、従業員は成熟した人物として企業から信頼されていると感じる」。コンサルティング企業Leadership Circleでグローバル最高執行責任者(COO)を務めるエイミー・フェリックスリース氏はこう説明する。
メリット4.有給休暇を管理するための業務が不要になる
有給休暇の日数が無制限になれば、人事部門は未消化の有給休暇日数の管理や承認作業をしたりせずに済む。「有休を取得しないと休む権利を失う」といった旨を従業員に通知する業務も不要になる。
次回は、無制限有給休暇の課題をまとめる。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[サイボウズ株式会社] DXに必要な「Dスキル」「Xスキル」を持った人材を育成するには? -
市場調査・トレンド
[サイボウズ株式会社] データで見る、DXが「順調に進む企業」と「つまずく企業」の違い -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 賛否が割れがちな「Notesからの移行」 新環境への移行を納得してもらうには? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] 農林中金に学ぶ内製開発 処理効率を約2倍に高めAI活用も加速させた方法とは? -
事例
[ServiceNow Japan合同会社] NTTグループのデジタル変革術、17万人が利用する決裁プロセス刷新の全貌
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
AI全部入り「Microsoft 365 E7」に企業が二の足を踏む訳 移行意向はわずか4%
-
2
「高すぎるGPU」を捨てAI推論をCPUへ Armが示す電力とコストの現実解
-
3
なぜOpenAIやAnthropicのAIは「脱走」したのか 情シスが迫られるエージェント統制
-
4
GitHubが指摘 AIが書いた「おそらく動くコード」が招くシステム崩壊
-
5
Anthropicが明かす AIは入力データを「どこまで覚えているのか」
-
6
【基本情報技術者試験】「デュプレックスシステム」と「デュアルシステム」の違いは?
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
サーバ約70台をAWSへ ヤナセが移行前にやった「通信要件の可視化」
-
9
Oracle巨大ITプロジェクトはなぜつまずいたのか 8年で導入1割、追加で170億ドル
-
10
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
生成AIのハルシネーションを防止 回答精度を高めるセマンティックレイヤーとは
-
2
5回聞くだけじゃ足りない? トヨタ式「なぜなぜ分析」の正しい実践方法
-
3
AIエージェントで多様な日常業務を効率化するための入門ガイド
-
4
インシデント対応工数を約3割削減、東京ガスの事例に学ぶ監視体制刷新のコツ
-
5
「脱Excel」か「Excel快適化」か? 現場にやさしい業務改善の進め方
-
6
マンガで解説:「ゼロトラスト」「SASE」の必要性とメリット
-
7
5分で分かる「セキュア大容量ファイル転送サービス」の機能とメリット
-
8
情報セキュリティ対策早分かりガイド:25の自社診断で弱点と解決策を理解
-
9
国税庁の次世代基幹システム「KSK2」稼働開始に向けて、対応すべき変更点とは?
-
10
AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー