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Intelが1万5000人削減、「半導体市場で独り負け」の理由輝きを失う半導体大手【後編】

半導体大手Intelが不調から抜け出せずにいる。同社は従業員1万5000人の削減を発表した。IT市場ではAI技術分野が盛り上がりを見せる中で、同社の事業に何が起きているのか。

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Intel(インテル) | 人工知能 | GPU | CPU


 かつて半導体市場をけん引していたIntelの業績が芳しくない。同社は2024年末までに従業員1万5000人を削減することを発表した。設備投資も削る。人工知能(AI)技術の需要で売上高の大幅成長を遂げるベンダーがある一方で、なぜIntelは不調なのか。

1万5000人削減のIntel、独り負けする要因とは

 2020年通期の業績では779億ドルあったIntelの売上高は、2023年通期で542億ドルまで落ち込んでいる。不振の原因の一つは、競合ベンダーであるNVIDIAやAdvanced Micro Devices(AMD)の成長の一因となっている、AI市場での売上高が伸び悩んでいることだ。

 Intelが伝統的に強いPC向けのCPU市場では、業績は悪くない。2024年度第2四半期(4〜6月期)の業績では、PC向けのCPU市場の売上高が74億ドルで、前年同期比9%増と好調だった。PC市場において同社の売上高が成長したのは、AIアプリケーションを実行するための専用プロセッサを搭載するPC「AI PC」の出荷が伸びたことが主な理由だ。ただしどれだけPC市場でのCPU出荷が好調だとしても、問題はデータセンター分野で同社が安定した足場を築けるかどうかだ。

 データセンター分野におけるIntelの2024年度第2四半期の売上高は30億ドルで、前年同期比3%減と伸びていない。データセンター分野で大幅に成長しているNVIDIAの業績とは対照的だ。NVIDIAの2025年度第1四半期(2〜4月期)の業績では、データセンター分野の売上高は226億ドルとなり、前年同期比で427%増となっている。

 AI市場においては、ユーザー企業によるAIアプリケーションの構築がこれから本格化してくると考えられる。その需要にIntelが十分に応じるためには、同社がAI市場向けのプロセッサ製品をどれだけ進化させられるかが鍵になるが、現状で遅れを取っている影響を取り払うのは簡単ではない。「ユーザー企業がAI分野に大きな投資をするなら、NVIDIAかAMDの製品に目を向けるのが自然だ」。コンサルティング会社J. Gold Associatesの主席アナリストであるジャック・ゴールド氏はそう語る。

 将来的にIntelが最先端のAI処理の市場で存在感を示すようになる可能性はあるが、それまでは他ベンダーに後れを取ることは避けられそうにない。

Intelのファウンドリ部門

 Intelが注力する分野の一つにファウンドリー(半導体製造)がある。ゲルシンガー氏が進めるコスト削減施策は、ファウンドリー世界大手Taiwan Semiconductor Manufacturing(TSMC)の強力な競争相手になるという、Intelの戦略を推進するための資源が制限される可能性があることを意味する。

 ただしゲルシンガー氏は、財政危機の中でもファウンドリー部門の戦略は変わらない主張する。2024年度第2四半期の業績において、ファウンドリー部門は43億ドルの売上高を上げ、前年同期比4%増となっている。

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