光無線通信の利点と課題【第1回】
光ファイバーでも無線LANでもない「光無線通信」とは何か?
光を利用してデータを送受信する光無線通信には、他の通信にはないメリットがある一方で、制約やデメリットも存在する。基礎から解説する。
1990年代以降、世界各国で光を利用してデータを伝送する「光無線通信」(Optical Wireless Communication、以下、OWC)の導入が進んでいる。OWCには他の通信方式では容易に実現できないメリットがある一方で、特有の課題もある。OWCとは何かを基礎から解説する。
「光無線通信」とは何か? 必要な要素は?
併せて読みたいお薦め記事
光ファイバーから始めるネットワーク変革
OWCは、光を用いてデータを伝送する技術だ。データの伝送に物理的な光ファイバーを使用しない。利用する光は、波長に応じて主に以下の種類がある。
- 可視光線(VLC)
- 波長380~700ナノ
- 赤外線(IR)
- 波長750ナノ~1ミリ
- 紫外線(UV)
- 波長10~400ナノ
OWCによるネットワークを構築するには以下の要素が必要となる。
- 光源
- LEDやレーザーダイオードなどの半導体部品
- 通常、屋根や埋め込むか天井に設置する
- エンコーダー(データを他の形式に変換する機器)
- 電気信号を光信号に変換する装置
- モジュレーター(変調器)
- データを伝送しやすいように信号を変調する装置
- トランスミッター(送信機)
- データを送信する装置
- 目と皮膚に対する安全基準に従う必要がある
トランスミッターがデータを光信号に変換して、さらに最適な信号に変換する「変調」のプロセスを経てから空間を経由して伝送される。光信号を受信する側にもさまざまな機器が必要だ。
- フォトディテクター(光検出器)
- 入射する光信号を検出する
- 増幅器
- 光信号の品質を向上させる
- デモジュレーター(復調器)
- 変調されたデータを元の形に戻す
- デコーダー
- エンコードしたデータを元の別形式のデータに復号する
OWCによるデータ伝送を実現するには、受信機と送信機の間に遮蔽(しゃへい)物が無い状態である「見通し」(LOS:Line of Sight)の確保が必要だ。十分なスペクトル効率(一定の周波数帯域幅で伝送可能なデータ量)を達成するために、送信機に向けて検出面をできる限り広く確保するように受信機の角度を保つ必要もある。送信機からの光信号を受信すると、受信機はそれを復調し、デコードして元のデータを抽出する。
次回はOWCのメリットを紹介する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
2
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
3
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
-
4
鹿島建設のDXを阻む「10年前のAWS」 安全性と自由度を両立したモダナイズ
-
5
「何から始めればいい?」 情報漏えい対策で悲鳴を上げる中小企業のリアル
-
6
Microsoft月例パッチ1400件超で過去最多 「限界点」を迎えたパッチ管理
-
7
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
-
8
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
9
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
10
「身代金を支払う」以外のランサムウェア対策は本当にあるのか?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー