セキュリティ担当者よ、“生成AIを恐れる”より「新たな職種」に着目せよ:目指せ「セキュリティ×AI」専門家【前編】
生成AIの普及はセキュリティ担当者にとって危機なのか、チャンスになるのか。生成AIがセキュリティの職種に与える影響を考えつつ、生成AIが生み出すキャリアパスを紹介する。
画像や文章を生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)は、さまざまな仕事の在り方を変えようとしている。セキュリティ分野もその例外ではない。最近ではセキュリティ担当者に生成AIのスキルを求める企業もあり、セキュリティ分野におけるAI活用に精通する人のニーズが旺盛になりつつある。生成AIによって、セキュリティの職種はどう変わるのか。
セキュリティ担当者が着目すべき「新たな職種」はこれだ
生成AIが普及することで、従来のセキュリティの職種は一部がなくなるのではないかと懸念する声がある。しかしセキュリティ専門家の大半は、生成AIは従来の仕事を奪うのではなく、セキュリティ運用をサポートすることにより活用されると見込んでいる。例えばセキュリティ担当者が日常のルーティン作業の一部を生成AIに任せ、自身はより高度な作業に専念する、といった具合だ。
生成AIを利用しやすい領域としては、
- 脅威検知のアラートが誤検知かどうかの識別
- 脆弱(ぜいじゃく)性管理の自動化
などが考えられる。こうした領域に生成AIを活用するためには、セキュリティ担当者は生成AIに関する深い知識を持っていなければならない。求められるのは、現場担当者の知識やスキルだけではない。経営陣も生成AIを利用する重要性を理解した上で、生成AIに優先的に投資できるように適切に判断することが欠かせない。
近年、さまざまな組織でデータ分析や、それによって得られた洞察をビジネスに生かす取り組みが進んでいる。その結果として、盗難や不注意による流出からデータを守るための施策が重要性を増している。そうしたデータ保護の取り組みに生成AIを活用するスキルも、セキュリティ担当者にとっては大切になりつつある。
AI技術の活用が広がる中で浮上してきたセキュリティ分野の新しい職種として、以下の4つを挙げることができる。
- AI/ML(機械学習)セキュリティエンジニア
- AIセキュリティアナリスト
- AIセキュリティ運用コンサルタント
- AIセキュリティ開発マネジャー
後編は、本稿で触れた4職種の担当業務を紹介する。
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