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生成AI「Gemini」搭載で「Google Workspace」はどう便利になる?「Gmail」「Googleドキュメント」はこう変わる

Googleが生成AI「Gemini」を「Googleドキュメント」「Gmail」などに導入することを発表した。エンドユーザーは、どのような機能を使用できるのか。コストに見合う効果は期待できるのか。

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Google | 人工知能


 Googleは、テキストや画像を自動生成する人工知能(AI)技術「生成AI」の基になるLLM(大規模言語モデル)「Gemini 1.5 Pro」を、オフィススイート「Google Workspace」に順次導入する計画だ。エンドユーザーは、どのようなメリットを享受できるのか。

「Gemini」搭載の「Google Workspace」はどう便利になる?

 Googleは2024年5月、開発者向けカンファレンス「Google I/O 2024」で、Gemini 1.5 Proを活用した機能を、Google Workspaceに順次搭載すると発表した。2024年10月時点では英語版が利用可能になっている。

 Geminiを組み込むするツールは、以下の通りだ。

  • 文書作成ツール「Google Docs」(Googleドキュメント)
  • メールサービス「Gmail」
  • プレゼンテーションツール「Google Slides」(Googleスライド)
  • 表計算ツール「Google Sheets」(Googleスプレッドシート)
  • Web会議ツール「Google Meet」

 Gmail用とGoogleドキュメント用のGeminiは、営業から人事までさまざまな部門の従業員が同僚や顧客、パートナー宛のメールや文書を作成する際に役立つ。エンドユーザーが「Help me write」ボタンをクリックし、トピックを入力すると、メールや文書の簡単な文案が自動で作成される。フォーマルな文体、カジュアルな文体を選択でき、文案を他のエンドユーザーと共有して意見を求めることも可能だ。メールスレッドを要約したり、PDFファイルを分析したりすることもできる。

 Googleスライド向けには、画像や新しいスライドを自動生成したり、プレゼンテーションの内容を要約したりする機能を追加した。Googleスプレッドシートには、表や数式を生成する機能がある。

 Google Meet向けには、会議内容のメモを記録する機能を導入した。

ユーザー企業は「手に負えなくなっている」

 オフィススイートを提供するベンダー各社が、Googleと同様のAI機能を組み込んでおり、ユーザー企業は複数の候補から選べる状況にある。「ユーザー企業はベンダーに対し、投資対効果を客観的に測れることを求めている」と、調査会社Metrigyのアナリストであるアーウィン・レザー氏は指摘する。

 「Gemini for Google Workspace」のプラン「Gemini Business」のエンドユーザー1人当たりの月額料金は20ドル、より多機能なプラン「Gemini Enterprise」は30ドルだ(年間プランの場合)。Microsoftのオフィススイート向けAIアシスタント「Microsoft 365 Copilot」もエンドユーザー1人当たり月額30ドルであり、従業員が数百〜数千人いる企業は費用がかさむ。

 レザー氏によれば、AI技術を活用し、従業員1人当たり月1時間の労働時間を節約できれば元が取れるという企業もあれば、それ以上の効果を求める企業もある。同氏は「収益の増加やコスト削減などの効果がなければ、従業員全員に導入する意義はないと考える企業もある」と指摘する。

 企業向けソフトウェアへのAI機能追加が進む一方、従業員にそのような機能を利用してもらうための教育に苦労する企業もある。レザー氏は「ユーザー企業は手に負えなくなっている。AI機能が急速に登場しており、従業員が時間を割いて使い方を学ぶのは困難だ」と述べる。

 レザー氏によると、Googleはパートナー企業を通じてユーザー企業にAI機能の使い方を教える。「Googleは『放っておくだけでうまくいくと思っているわけではない』という姿勢を示そうとしている」と同氏は説明する。

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