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New York TimesがPerplexityに記事の使用停止を“通知” すぐには提訴しない、その理由AI検索エンジンと著作権侵害

自社の著作権が侵害されたとしてOpen AIを提訴したThe New York Timesが、Perplexityに対しても自社記事の使用停止を求める通知を送付した。その狙いとは。

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 米紙The New York Times(NYT)は2024年10月、同社のコンテンツの使用停止を求める通知を人工知能(AI)ベンダーPerplexityに送付した。同社はAI搭載検索エンジン「Perplexity AI」を提供している。NYTは、Perplexityが許可なく同社のコンテンツにアクセスし、要約を作成するといった行為が著作権の侵害に当たると指摘した。

 NYTが衝突しているのはPerplexityだけではない。AIベンダーOpenAIとパートナー企業のMicrosoftに対しても著作権侵害で提訴した。ただし、NYTによるOpen AIへの提訴とPerplexityへの通知には違いがある。違いの背景には、どのような狙いがあるのか。

Perplexityへの通知 その狙いとは?

 コーネル大学(Cornell University)のサラ・クレプス教授は「NYTはOpenAIとの係争が決着していないので、Perplexityに対し異なるアプローチを取った」と指摘する。同氏によると、使用停止を求める通知は訴訟よりも手続きを迅速に進めることができ、費用を抑えられ、対立も生じにくい。「この方法は交渉の機会が生まれやすい。新技術に関して著作権法の解釈があいまいな状況を考慮すると、訴訟よりも好ましい」(同氏)

 ノースイースタン大学(Northeastern University)のマイケル・ベネット氏も、NYTの判断は知的財産を守るうえで賢明な措置であると指摘している。NYTが勝訴すれば、PerplexityをはじめとしたAIベンダーは、契約に基づく金銭的な交渉を強いられるとベネット氏は推測する。

 一方、NYTが敗訴した場合、判決前に持っていた交渉上の有利な立場を失うことになるとベネット氏は指摘する。「まずは迅速に行動し、合理的な根拠があるうちに使用停止の通知を送るのが賢明だ」(同氏)

 「大手メディアのこのような動きは、知的財産を本気で守るという姿勢をAIベンダーに示す警告でもある」。知的財産を専門とする法律事務所カーステンズ・アレン&ガーリー法律事務所(Carstens, Allen & Gourley)のパートナー、ヴィンセント・アレン弁護士はこう説明する。

 アレン弁護士は「NYTが追い求めているのは、自社コンテンツによる収益化だ」と指摘する。同氏によると、NYTは自社のコンテンツが利用され、有料版サイトへのトラフィックを奪われていると危惧しているという。

 NYT以外のメディア企業も、インターネット上のコンテンツ収集に関する警告をAIベンダーに発してきた。2024年6月、メディア企業ForbesはPerplexityに対し、無断でテキストや画像を使用したとして法的措置を検討する通知を出した。同年7月、Perplexityはコンテンツの提供者が適切な報酬を受け取ることができる仕組み「Perplexity Publishers' Program」の整備を進めている。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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