Google検索とは全然違う? Perplexity AIの「AI検索エンジン」とは:LLM×検索エンジンによる真価【前編】
Google検索など従来の検索エンジンに代わる存在として、AI搭載の検索エンジン「Perplexity AI」が注目を集めている。何ができるのか。
人工知能(AI)技術が台頭し、データの活用方法が大きく変わっている。検索エンジンもその例外でない。「Perplexity AI」は、AIベンダーPerplexityが提供するAI搭載検索エンジンだ。「Google検索」(Google Search)をはじめとする従来の検索エンジンとは違うやり方で、検索を支援する。どのような検索が可能なのか。
「Perplexity AI」はGoogle検索と何が違う?
併せて読みたいお薦め記事
AIモデルやサービスを比較解説
Perplexity AIは、複数の大規模言語モデル(LLM)を活用する対話形式の検索エンジンだ。質問の文脈に基づいてWebにある最新情報を検索し、その結果を自然言語で分かりやすく整理する。それに加えて、絞り込み検索の提案など、質問の意味を考えてより具体的な情報を探す手伝いをしてくれる。
Google検索をはじめとする従来の検索エンジンは、キーワードを入力すると関連するURLリンクのリストを提示する。それに対してPerplexity AIは、ユーザーが入力した質問に直接回答したり、情報を要約して提供したりする。
Perplexity AIの用途は検索エンジンだけではない。OpenAIの「ChatGPT」やAnthropicの「Claude」といったAIチャットbotと同様、テキストや画像などコンテンツの生成も可能だ。有料版ではLLMの「GPT-4」「Claude 3」の他、OpenAIの「DALL-E 3」、Stability.AIの「Stable Diffusion XL」といった画像生成AIが可能なマルチモーダルLLMを含めて、切り替えて使用することができる。
Perplexity AIの3つのプラン
Perplexity AIでは、3つのサブスクリプション形式を用意している。
- 無償版のPerplexity AI
- OpenAIのLLM「GPT-3.5」とMicrosoftの検索エンジン「Bing」を組み合わせた基本的な検索機能がある
- 画像やPDFファイルをアップロードして質問できるが、アップロードには1日3回までの回数制限がある
- アカウント作成は不要だが、作成するとGPT-4を4時間ごとに5回使用できる他、過去の検索履歴の参照が可能になる
- Perplexity Pro
- 月額契約の場合、ユーザー当たり20ドル。年間契約の場合は年額200ドル
- Claude 3の他、OpenAIの「GPT-4o」やGoogleの「Gemini」など複数のLLMへの切り替えが可能
- MetaのLLM「LLaMa3」をベースにPerplexity AIが開発したモデル「Sonar Large」も含まれる
- 用途に応じて最適なLLMを選ぶことで、幅広い情報収集や、回答精度の向上が見込める
- ファイルのアップロード回数は無制限で、1日当たりの質問は600回まで可能。画像生成は1日50回まで
- 開発者向けのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を月額5ドルで使用できるなど特典がある
- Perplexity Enterprise Pro
- 組織の規模に応じた柔軟な価格設定
- Perplexity Proの機能に加え、ユーザー管理やシングルサインオン統合、セキュリティ強化、データ保持といった管理者向け機能が追加されている
後編は、Perplexity AIの使用感や期待できるメリットを紹介する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.