AIがよく分かる「機械学習の歴史」【第2回】
「機械学習」「人工知能」はこうして生まれた――AIの原点を探る
半世紀以上にわたる機械学習の歴史は、どのように始まったのか。黎明期の1940年代から1950年代に焦点を当てて、機械学習の進化を解説する。
人工知能(AI)技術の中核として、半世紀以上にわたりその発展を支えてきたのが機械学習だ。機械学習はどのようにして誕生し、その後の技術革新につながる基礎が築かれたのか。黎明期を年代別に詳しく振り返る。
「機械学習」「人工知能」が生まれたのはいつ?
併せて読みたいお薦め記事
連載:AIがよく分かる「機械学習の歴史」
AIの基礎を理解する
1943年
論理学者のウォルター・ピッツ氏と神経生理学者のウォーレン・マカロック氏が、ニューラルネットワークの最初の数理モデルを発表。人間の思考プロセスを模倣するアルゴリズムの基礎を築いた。
1949年
心理学者のドナルド・ヘッブ氏は「Organization of Behavior: A Neuropsychological Theory」(行動の機構)を出版し、機械学習の発展における重要な一歩を踏み出した。この本は、脳の活動がどのように行動や思考に影響するかを示し、それをニューラルネットワークの仕組みとして注目したものだ。
1950年
数学者アラン・チューリング氏が論文「Computing Machinery and Intelligence」(計算する機械と知性)を発表し、「チューリングテスト」の概念を提案した。チューリングテストとは、プログラムが「知的であるかどうか」を判別するテストのことだ。「機械は人間のように考えることができるのか」という問いが本格的に取り上げられたことで、後のAI技術の研究開発の基礎が築かれた。
1951年
コンピュータ科学者のマービン・ミンスキー氏とディーン・エドモンズ氏は、世界初と考えられている人工ニューラルネットワーク(ANN:Artificial Neural Network)である「Stochastic Neural Analog Reinforcement Calculator」(SNARC)を開発した。SNARCは、3000本の真空管を用いて40本のニューロンをシミュレーションした。
1952年
コンピュータ科学者アーサー・サミュエル氏は、世界初と考えられている自己学習型プログラム「Samuel Checkers-Playing Program」を開発した。ゲームを自律的にプレイし、プレイを通して自らの戦略を改善する学習能力を備えていた。
1956年
科学者のジョン・マッカーシー氏とマービン・ミンスキー氏、計算機科学者のナサニエル・ロチェスター氏、電気工学者クロード・シャノン氏は、研究発表会で「Artificial Intelligence」(人工知能)という用語を生み出した。
同年、研究者のアレン・ニューウェル氏、学者のハーバート・サイモン氏、プログラマーのクリフ・ショー氏が、人間の推論能力を真似するよう意図的に設計された、世界初と考えられているAIプログラム「Logic Theorist」を開発した。
次回は、1950年代から1970年代にかけての機械学習の発展を解説する。
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
3
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
4
“アジャイルの壁”に挑むオリックス生命がIBMの開発管理ツールを選んだ理由
-
5
IT製品の導入に関するアンケート「セキュリティ」編
-
6
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
7
LINEヤフーはなぜ「社内の管理者」すら信用しないインフラを作ったのか
-
8
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
9
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
10
生成AIが普及しても「技術書」を手放せないエンジニアの本音
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
7
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー