VMとホストマシンの両方を保護する【後編】
仮想マシン(VM)の安全性を過信しない“9つのセキュリティ対策”
VMから抜け出してホストマシンを狙う「VMエスケープ」などの攻撃からVMを守るには、適切なセキュリティ対策が不可欠だ。具体的な9つの防御策と、その実践方法を解説する。
仮想マシン(VM)は、物理的に分離された環境のように振る舞うため、安全性が確保されていると考えられがちだ。しかし実際には、攻撃者がハイパーバイザーの脆弱性を悪用してVMから抜け出し、ホストマシンで悪意のあるプログラムを実行する「VMエスケープ」など、ホストシステムや他のVMを危険にさらす恐れがある。VMとホストマシンを守るにはどうすればよいのか。9つの対策を紹介する。
仮想マシン(VM)とホストマシンを効果的に守る9つの対策
併せて読みたいお薦め記事
連載:VMとホストマシンの両方を保護する
VMのセキュリティ対策
IT部門は、全社的なセキュリティ対策の一環としてVMのセキュリティ強化に取り組む必要がある。技術的な対策だけではなく、ポリシーの策定や従業員教育、継続的な警戒も重要だ。VMとホストマシンのリスクを最小限に抑えるための取り組みを以下に示す。
対策1.セキュリティソフトウェアの活用
VMとホストマシンの両方に、マルウェア対策や侵入検出・防止などのセキュリティツールを導入する。こうしたツールは不審な振る舞いを検出し、被害を食い止めるのに役立つ。
対策2.定期的な更新
ハイパーバイザー、VM、ホストマシン、VM管理ツールを最新の状態に保つ。そのためには最新のパッチを適用するとともに、マルウェア定義を最新に保つことが欠かせない。
対策3.ネットワークセグメンテーションの活用
VMのネットワークをホストマシンのネットワークから分離するには、異なるネットワークを論理的に分離する「ネットワークセグメンテーション」が活用できる。仮想LANとファイアウォールを使用して、VMとホスト間の通信を制御、監視する。管理用の通信を通常の通信と分離させることで、不正アクセスを防ぐ。
対策4.設定の強化
ハイパーバイザーベンダーが提供するセキュリティ強化ガイドラインに従う。不要な機能を無効化する、必要最低限の権限のみを与えるなどのセキュリティベストプラクティスに従い、ハイパーバイザー、VM、ホストマシンの設定を見直そう。
対策5.共有リソースや共有機能の制限
VMとホストマシン間でのフォルダ、デバイス、クリップボードなどの共有は、可能な限り控える。必要な場合は、厳格なアクセス制御と監視を組み合わせて使う。
対策6.監視とログの取得
VMとホストマシンの両方で、継続的な監視とログ取得を実施する。IT管理者はログを分析して、不審な振る舞いを早期に検出できるようにする。VMの安全性評価も定期的に実施しよう。
対策7.バックアップの取得
全てのVMとホストマシンの重要な設定を定期的にバックアップする。復旧作業も定期的にテストし、バックアップが確実に利用できることを確認する。
対策8.サードパーティー製ツールの管理
サードパーティー製のツールやプラグインは、安全性を十分に精査してからVMに導入する。
対策9.従業員教育の実施
フィッシング攻撃やソーシャルエンジニアリング(人の心理的な隙を狙う攻撃手法)などへの対策として、IT管理者を含む従業員に継続的なセキュリティトレーニングを実施する。VMの安全な利用、管理手順を定めたポリシーの策定も効果的だ。
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス
米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社うるる] 「入札市場」攻略ガイド:効率的に落札するためのポイントを徹底解説 -
製品資料
[株式会社うるる] 入札情報に特化した「販路拡大」「効率化」のためのサポートツールとは? -
市場調査・トレンド
[株式会社うるる] 公共入札に成功する企業と失敗する企業の「5つの違い」 -
製品資料
[日本ビジネスシステムズ株式会社] 専門家が教える、Microsoft 365の「テナント統合/分離」を成功に導く秘訣 -
製品資料
[rakumo株式会社] Microsoft 365での情報埋没を防ぐ、社内ナレッジを資産化する情報ポータル活用
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
2
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
3
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
4
「テザリング依存」に潜む落とし穴 “遅いVPN”を解消するネット構築術
-
5
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
6
「IT運用・情報システム業務」に関するアンケート
-
7
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
8
Claude利用8割のGMO、AI人材の評価軸が「トークン管理」に変わった
-
9
AI導入が失敗する“真犯人”は現場のマニュアル 7割が陥る「標準化」のわな
-
10
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー