悪名高いランサムウェア集団「LockBit」を“壊滅”させた新発想とは?:ランサムウェア攻撃の“今”を知る【前編】
2024年もランサムウェア攻撃が猛威を振るった。大規模な障害やデータの漏えいを引き起こした一方、悪質な攻撃者グループが“壊滅”したと報じられた。何が起きたのか。
ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)による被害は2024年も拡大した。医療や金融などさまざまな業界が標的となり、大規模な障害やデータの漏えいが発生した。一方、ランサムウェア攻撃を繰り返してきた悪質な集団LockBitが“壊滅”したと報じられた。何が起きたのか。
悪質グループを“壊滅”させた新発想とは?
セキュリティベンダーEmsisoftは2024年1月に公開した調査レポート「The State of Ransomware in the U.S.:Report and Statistics 2023」で、ランサムウェア攻撃集団への身代金の支払いをやめるよう提言した。同年11月には米国家安全保障担当副大統領補佐官アン・ノイバーガー氏が保険会社に対し、身代金を支払った組織へ補償をしないように要請した。同氏は、現行の補償方針が問題を助長していると指摘している。
ランサムウェア攻撃集団BlackCat(別名「ALPHV」)は、2023年に米連邦捜査局(FBI)をはじめとした複数の法執行機関が対策を講じたにもかかわらず、重大な攻撃を示唆する犯行声明を出した。同集団は2024年2月にUnitedHealth Group傘下の医療メーカーChange Healthcareへの攻撃後、解散したように見えた。しかし被害は引き続き発生しており、新たな集団が出現している。
同年2月には、複数の法執行機関がOperation Cronosと呼ばれる作戦を実行し、LockBitを壊滅させた。この作戦は、同集団のリークサイト(攻撃者が入手した機密情報や個人情報を不特定多数に公開するWebサイト)の制御権を奪取し、攻撃者の個人情報を公開するという手法を採用した。作戦の結果、LockBitの指導者の一人で、LockBitSuppの名で知られるドミトリー・ユリエビッチ・ホロシェフ氏が起訴された。
Operation Cronosは成功を収めたが、別の集団による攻撃は活発化している。セキュリティベンダーESETが2024年12月に発表した調査レポート「ESET Threat Report H2 2024」によると、ランサムウェア攻撃集団RansomHubが2024年後半に数百の組織を攻撃したという。ESETの研究者らは、RansomHubの攻撃は2025年も活発化すると予測している。
次回は、2024年に発生した主要なランサムウェア攻撃を紹介する。
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