FinTech企業への投資額「全世界で20%減少」 背景にある“投資家の変化”とは?:2024年のFinech業界を調査
FinTechの業界団体Innovate Financeが発表したレポートによると、2024年の全世界におけるFinTech企業への投資額は前年比で20%減少した。投資額減少の背景には、どのような原因があるのか。
FinTech(金融とITの融合)の業界団体Innovate Financeが発表したレポート「FinTech Investment Landscape 2024」によると、2024年の世界全体におけるFinTech企業への投資額は前年比で20%減少し、43.5億ドルとなった。英国での投資額は前年比で37%減少し、36億ドルだった。投資額の減少は何が原因なのか。
投資額減少の原因は何か?
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Innovate Financeは、投資額が減少した要因として「金利の上昇や地政学的リスク、ベンチャーキャピタルによる出資の見直し」を挙げる。
Innovate FinanceのCEO、ジャニーン・ハート氏は投資額の減少を前向きに捉えている。「経済的な混乱の中でも、投資額は36億ドルにも上っている。この額は英国のFinTech業界が変化に適応し、上向く可能性を示すものだ」(同氏)
同氏は「将来的に投資額が増える」と予測し、FinTech企業に対し「そのタイミングで投資先の最有力候補に挙がるよう、イノベーションへの投資を怠らず、準備しておく必要がある」と呼びかける。
一方、あるFinTech企業の経営者は「投資家がさまざまなFinTech企業に投資し、その中の数社が成果を上げるという時代は終わった」と指摘する。同氏によると、投資家はリスクが低くリターンを見込める企業に絞って投資する傾向があるという。
RegTech(金融業界の規制への対処を効率化する技術)ベンダーTania TechnologiesのCEO、マリア・スコット氏も、投資の在り方が変化していると主張する。「FinTech企業の収益性や事業の持続可能性に対する関心が高まっている」(同氏)
同氏は、さまざまな業界で、テキストや画像を生成するAI(人工知能)技術「生成AI」への投資が急増しているとも指摘。Fintech業界への投資額減少に影響しているとみる。
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