「パスキー」はこれだけ使える “パスワードなし”の未来がすぐそこに:新たな認証「パスキー」の可能性【後編】
パスワードを使わずにログインができる認証手法「パスキー」が使えるWebサイトが増えている。どのサービスやWebサイトで使えるのか。代表的な例を紹介する。
認証関連の業界団体FIDO Allianceと、インターネット技術の標準化団体World Wide Web Consortium(W3C)が共同開発したパスワード要らずの認証手法「パスキー」(Passkey)。顔や指紋の生体要素など、パスワードとは異なる認証要素を使ってさまざまなアプリケーションやWebサイトにログインできる。パスキーの本格的な広がりはこれからだが、すでに採用は広がっている。どのようなサービスやWebサイトが採用しているのか。
パスキーはどこまで普及した? パスワードなしで使えるWebサイト
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連載:新たな認証「パスキー」の可能性
パスキーとは何か?
ユーザー視点で見たときのパスワードの大きなメリットは、さまざまなアプリケーションやWebサイトに簡単にアクセスし、買い物をしたり旅行を予約したりできることだ。FIDO Allianceによれば、世界のアクセス数上位100位のWebサイトのうち、約20%がパスキーの利用を可能にしている。このWebサイトには「Amazon.com」や「Uber.com」の他、ソースコード共有サービスの「GitHub.com」などが含まれている。最近は、以下の人気Webサイトもパスキーを導入した。
- Whatsapp.com(メッセージングサービス)
- Discord.com(ボイスチャット)
- Linkedin.com(ビジネス特化型ソーシャルネットワーキングサービス)
- X.com(短文投稿サイト=旧Twitter.com)
- Roblox.com(オンラインゲーム)
- Playstation.com(ゲーム)
- Target.com(小売業)
Amazon.comによれば、同社サービスを利用する際、約1億7500万人の顧客がパスキーを使用しているという。パスキーによるログインの広がりは、eコマース(EC:電子商取引)サイトでの取引の増加と、パスワードを忘れてしまった場合の顧客離脱の減少に直結すると考えられる。パスワード管理ツールベンダーDashlaneによると、パスキー認証のうち、約4割をECサイトが占めている。
パスキーを巡る現状の課題は、企業がどれほど迅速にパスキーを導入し、消費者に使用を促せるかだ。パスキーが広く普及すれば、認証のセキュリティリスクが低減するとともに、ビジネスの活性化につながる可能性がある。
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