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検索AIツール「Perplexity」はどこまで使える? 特徴と知っておくべき限界:Perplexityを徹底解説【中編】
AI搭載検索エンジン「Perplexity」は、検索機能にとどまらない幅広い機能を提供する。使いこなすために知っておきたい主要機能と、限界およびリスクをまとめて紹介する。
AI(人工知能)ベンダーPerplexity AIが提供するAI搭載型の検索ツール「Perplexity」は、単なる検索にとどまらない多彩な機能を提供する。その主要機能や、活用時に注意すべきリスクなど、Perplexityを使いこなすために知っておきたいポイントを整理する。
「Perplexity」を使いこなすなら押さえておくべき特徴とリスク
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連載:Perplexityを徹底解説
AI導入を成功させるためのポイント
Perplexityの主要機能として以下が挙げられる。
- 要約
- ユーザーのクエリ(質問や指示)に対して、Web検索を基に必要な情報を要約して回答を出力する。要約の詳細さや内容の深さは、検索モードに応じて変わる。
- フォローアップ質問の提案
- 検索後に関連する追加質問を提案することで、ユーザーが検索をさらに絞り込みやすくする。
- カテゴリー別検索
- 検索対象を絞り込むために、「Web」「学術」「ソーシャル」「組織内のファイル」の4つのカテゴリーのうち、1つもしくは複数を指定して検索できる。検索の対象範囲を明確にすることで、より適切な回答にたどり着ける。
- 情報源の確認
- Perplexityの検索結果には、回答の生成に使用された情報源となるリンクが提示される。ユーザーは回答のファクトチェック(事実確認)ができる。
- マルチモーダル機能
- 画像や音声、ソースコードなどテキスト以外のデータ形式を扱えるマルチモーダル機能を提供することで、多様なコンテンツでの検索、応答が可能となる。
- 社内情報の検索(Internal Knowledge Search)
- Webの情報だけでなく、組織内の独自文書も検索対象に加えることができる。最大500ファイル、形式はXLSX、PPTX、DOCX、PDF、CSVを扱うことが可能。
- ファイルアップロード
- ファイルをアップロードして、質問に補足情報や文脈を加えることができる。
- プッシュ通知
- Googleアラートのように、カスタムプッシュ通知を設定して新しい情報をリアルタイムで通知を受け取ることができる。
- リアルタイム回答
- スポーツの試合結果など、現在進行中の出来事についてリアルタイムで質問できる。ただし、情報の更新に遅れが出ることもある点には注意が必要。
- ニュースの発見(Discoverタブ)
- Discoverタブでは、Googleなどの従来型検索エンジンと同様に、最新ニュースの一覧ページを閲覧できる。
- 検索履歴とプロジェクト管理(Library & Spaces)
- Libraryタブでは、過去の検索履歴(スレッド)を保存できる。Spaces機能では、それらをフォルダやプロジェクト単位で整理、共有できる。プライバシー設定や共同編集も可能。
- 出力形式のカスタマイズ
- スペースごとに回答スタイルのカスタマイズができる。例えば、「特定の年の情報のみを使って回答して」「フランス語で出力して」といったふうに指示が可能。
Perplexityのリスクと限界
多くの生成AIツールと同様に、Perplexityも幾つかの課題や限界を抱えている。例えば以下のようなものだ。
- AIバイアス
- 偏ったデータで訓練されたAIモデルが、偏見を含んだ回答や不正確な出力を生み出す問題。「機械学習バイアス」とも呼ばれる。社会的少数者(マイノリティー)コミュニティーに対する不適切な応答が発生する可能性もある。
- ハルシネーション
- AIモデルが事実に基づかない回答を出力する現象。特に正確な回答を求める検索ツールにおいて、誤情報の生成は大きな問題となる。
- 限られた問題解決能力
- Perplexityを利用する際は、複雑な問題解決や推論能力に限界がある点に注意が必要だ。例えば、無関係な情報源を取り上げたり、データについて誤った仮定を立てたり、誤解を招く一般化をしたりする可能性がある。
- 著作権侵害
- 他の生成AIツール同様、Perplexityも著作権侵害を巡る訴訟に直面している。これは、「著作権で保護された記事を無断でコピー、再利用している」と主張されるもの。特にコンテンツ生成機能を利用するユーザーや組織にとって、知的財産権侵害のリスクは重要な懸念事項となる。
- サードパーティーLLMへの依存
- Perplexityは、複数のサードパーティーLLM(大規模言語モデル)と連携したサービスのため、これらのLLMの限界もそのまま受け継ぐ。つまり、使用するモデルに起因する制約を完全には回避できない。
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