「Windows Server 2025」で何が変わった? 選ぶべきエディションは?:Windows Server2025への移行ガイド【前編】
Microsoftは新しいサーバOS「Windows Server 2025」に企業向けのさまざまな機能を追加している。利用する前に知っておきたい新機能や、エディションごとの違いを確認しよう。
Microsoftは2024年11月にサーバOS「Windows Server 2025」の提供を開始した。Windows Server 2025には従来のバージョンには無いさまざまな新機能がある。Windows Server 2025への移行を計画する際は、自社の要件に応じて適切なエディションを選ぶ必要がある。Windows Server 2025の主な機能強化のポイントと併せて、エディションの違いを確認しよう。
「Windows Server 2025」で変更になった機能とエディションの違い
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押さえるべきWindows Server 2025の進化
MicrosoftはWindows Server 2025において、次の項目を含めてさまざまな機能強化を施している。
- ID・アクセス管理システム「Active Directory」(AD)の機能強化
- ホットパッチ(コンピュータを再起動しないで更新プログラムをインストールする仕組み)
- セキュリティ対策機能の強化
Windows Server 2025への移行に当たっては、削除される機能や、次のバージョンに引き継がれない可能性がある要素を確認し、それに応じた計画を立てることも重要だ。削除される機能や、非推奨となった機能については後編で紹介する。まず最適なエディションを選ぶためのポイントを押さえておこう。
Windows Server 2025エディションの比較
MicrosoftはWindows Server 2025のエディションを幾つか提供している。
- Windows Server 2025 Standard(以下、Standard)
- Windows Server 2025 Datacenter(以下、Datacenter)
- Windows Server 2025 Datacenter: Azure Edition(以下、Datacenter: Azure Edition)
StandardとDatacenterは似ているが、幾つかの重要な違いがある。主な違いは、Standardでは、Microsoftのサーバ仮想化ソフトウェア「Hyper-V」のライセンスが仮想マシン(VM)2台分までに限定されていることだ。Datacenterエディションには制限がない。
Standardは障害復旧時のボリュームレプリケーション(複製)機能の「記憶域レプリカ」(Storage Replica)を利用できる容量や複製先のサーバ数に限りがある。Datacenterエディションにはこうした制限がない。
Microsoftによれば、Datacenter: Azure Editionは、同社のクラウドサービス群「Microsoft Azure」での使用に最適化されている。StandardやDatacenterとは異なり、Datacenter: Azure Editionは物理ハードウェアで実行されず、VMにのみインストールできる。DatacenterエディションとDatacenter: Azure Editionの主な違いは、製品アップデートの提供方法にある。
StandardとDatacenterは、数年ごとのリリースで新機能が追加される。それとは対照的に、Datacenter: Azure Editionは更新管理機能「Windows Update」を通じて新機能が提供される。Microsoftは、Datacenter: Azure Editionの主要アップデートを、今後3年間で2回提供すると発表している。
後編は、Windows Server 2025を使用する際に注意すべき点を紹介する。
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