AWSアカウント作成で陥る「予期せぬ課金」「セキュリティミス」を回避する方法:無料枠を安全に利用する
クラウド学習の第一歩であるAWSアカウント作成でつまずく初心者が後を絶たない。セキュリティ設定の見落としや課金トラブルを避け、安全にAWSの世界に踏み出すための実践的な手順を解説する。
DevOpsやクラウドコンピューティングの習得を目指す技術者にとって、Amazon Web Services(AWS)は今や定番の選択肢となっている。個人プロジェクトに取り組む動きが活発化しており、AWS認定資格への関心も引き続き高い。
しかし実際のところ、「AWSアカウントを作成したが、思わぬ課金が発生した」「セキュリティ設定を怠って不正アクセスされた」といったトラブルに見舞われる初心者は少なくない。こうした問題の多くは、アカウント作成時の基本的な設定不備が原因だ。安全で確実なAWSアカウント作成を実現するためには何が必要なのか。
無料利用枠で安全にスタートする方法
AWS無料利用枠アカウントの作成自体は決して複雑ではない。必要な情報はクレジットカード、認証用の電話番号、連絡用のメールアドレスの3つだけだ。作成手順を正しく理解し、セキュリティリスクを回避する設定を同時に行うことが欠かせない。
- AWS公式サイト(https://aws.amazon.com/jp/)にアクセスし、「コンソールにサインイン」をクリック
- ルートユーザーのメールアドレスとAWSアカウント名(半角アルファベット)を入力
- 「認証コードをEメールアドレスに送信」をクリックし、届いた確認コードを入力
- ルートユーザーパスワードを設定し、確認用に再入力
- アカウントタイプ(個人・ビジネス)を選択し、連絡先情報を入力
- クレジットカード情報と請求先住所を入力
- SMS認証または電話認証で本人確認を実施
- 「ベーシックサポート」(無料)を選択し、サインアップを完了
アカウント作成が完了すれば、AWSマネジメントコンソール(管理画面)にログインできるようになる。ここから以下のようなAWSの豊富なサービスを利用可能だ。
- S3バケット(データ保存領域)の作成
- 「Amazon Elastic Container Service」(ECS)へのコンテナデプロイ
- 「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)インスタンスの起動
- Lambda関数の記述
アカウント作成後の必須セキュリティ設定
ただし、AWSサービスの利用を開始する前に、セキュリティと課金管理の観点から重要な設定を実行しておく必要がある。これらの設定を怠ると、予期しない課金やセキュリティインシデントのリスクが高まる。
- セキュリティ強化設定
- AWSルートアカウントで多要素認証(MFA)を有効化
- 管理者権限を持つ新しい「IAM」(IDおよびアクセス管理)ユーザーを作成
- AWSアカウントエイリアス(わかりやすい別名)を設定
- 課金管理設定
- 請求アラートを有効にし、月額請求の上限を設定
- IAMユーザーに、AWS Billing and Cost Managementコンソール(請求管理画面)へのアクセス権を付与
- 運用効率化設定
- AWSコマンドラインインタフェース (AWS CLI) をインストールし、設定
- AWS IAM Identity Center(統合ユーザー管理サービス)を有効化
これらの設定により、AWS無料利用枠アカウントのセキュリティが大幅に向上し、予期しない請求からユーザーを保護できる。管理タスクの効率化も実現され、クラウドコンピューティング学習に集中できる環境も整う。
適切な設定を施したAWSアカウントは、DevOpsやクラウドコンピューティング学習の確実な出発点となるだろう。
翻訳・編集協力:雨輝ITラボ(リーフレイン)
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