「私を理解してくれるAIエージェント」、NTTデータが投入:ユーザー特性を学んでタスク実行
NTTデータは複数のAIエージェントを組み合わせ高度なタスク実行を可能にする「LITRON CORE」を発売した。ユーザーの特性を学びタスク実行に反映する機能も持つ。
NTTデータは2025年10月3日、AIエージェント用インフラ「LITRON CORE」を発売したと発表した。ユーザーの依頼に対し、複数のAIエージェントが連携してワークフローを構築する機能があり、高度なタスクを実行できるという。ポイントは、指示するユーザーの「特性」を理解することだ。どういうことなのか。LITRON COREの機能を詳しく見てみよう。
競争戦略策定や購買調査を支援 LITRON COREは何ができるのか
LITRON COREは主に、以下の機能を備えている。
- 計画立案
- ユーザーの指示から意図を理解し、計画を立案する。ユーザーとのやり取りを通じて、ユーザーの特性に関する情報を収集して保存するので、ユーザー特性を踏まえたタスク実行ができるという。
- タスク実行の管理
- エージェントが作成した計画を基に「統括エージェント」を決め、タスク実行を管理する。
- 汎用エージェント群/業務特化エージェント群によるタスク実行
- Web検索やコーディングといった一般的なタスクを担当する「汎用エージェント群」に加え、スライド作成や高度な「Microsoft Excel」分析などができる「業務特化エージェント群」を用意する。単一のエージェントでは処理ができない場合には、エージェント同士が連携してタスクを実行する。
- 新規エージェントの自動生成
- タスク実行時、LITRON COREで標準で備えていないエージェントが必要となったら、新規エージェントを自動生成してワークフローに組み込める。
LITRON COREのユースケースとしてNTTデータは、競争戦略策定の支援や、購買調査支援、社内文書の更新補助、顧客向け提案資料の作成といったことを想定しているという。将来は、LITRON COREに自然言語によるエージェント作成機能を追加する方針だ。
企業で業務効率化が喫緊の課題になっている中、AIエージェントに関するニーズが高まっている。一方で、ITベンダーからAIエージェントやそのインフラの製品が相次いで投入され、企業は自社に最適なものが選択しにくい。さらに、AIエージェントの実運用に関して使いにくさを感じる企業もあり、導入にはさまざまな衝撃が残っている。
NTTデータはLITRON COREで複数のエージェントを組み合わせて高度なタスク実行を可能にして、他社製品との差異化を図っているとみられる。ユーザー企業も自社の特性を学ぶ機能を生かせば、パーソナライズした形での運用が可能になり、AIエージェントの使い勝手が高まることが期待できる。
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