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「AIは情シスの仕事」8割が関与 IT部門の役割が変わる理由とはソフトクリエイトが調査

ソフトクリエイトは、企業のAIツールの導入、活用に関する調査結果「AI導入・活用における企業の動向と情報システム部の意識調査 2025」を公開した。その結果からは、企業のAI活用に対するIT担当者の関わり方に変化が生じていることが分かった。

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 ソフトクリエイトは2025年10月8日、「AI導入・活用における企業の動向と情報システム部の意識調査 2025」を公開した。

 調査は2025年6月、同社が運営するWebメディア「情シスレスキュー隊」のメルマガ購読者で、自社のITシステム運用に関与する従業員(以下、IT担当者)を対象に実施され、418人から有効回答を得た。

AI活用の拡大でIT担当者の役割はどのように変化している?

 調査結果からは、通常業務に加えて、AI(人工知能)ツールの導入や活用といった「AIまわり」がIT担当者の業務となる動きがあることが示された。2024年6月と2025年6月の調査結果をもとに、「情シスのAIツール導入や運用への関与状況」について1年間の推移を見た結果、「AIの導入や運用に何らかの形で関与している」と答えたIT担当者の割合は、2024年の約6割から2025年に約8割に増加した。

 IT担当者のAIツール導入や活用の程度を尋ねた質問では、「導入から運用まで一元的に関与する」と答えた回答者は37.3%で2024年の33.2%から増大した。「技術的な支援や選定、導入や設定などに部分的に関与する」と答えた回答者は、2024年は26.5%だったが2025年は34.7%だった。ソフトクリエイトはこの調査結果について、「業務効率化や人材不足にAIツールを活用しようというニーズが全社的に高まっている」と分析している。

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2024年度〜2025年度におけるIT担当者のAIツール導入や運用への関与状況(提供:ソフトクリエイト

 一方、AIの組織的な導入、活用には課題があることも分かった。調査では、AIツールの導入、活用の進捗(しんちょく)を、ガイドラインや監査体制の整備といった「フェーズ1:安全な生成AIの導入」、「フェーズ2:AIチャットbotの活用」「フェーズ3:社内システムとの連携」「フェーズ4:社内外のデータを使った意思決定や計画策定の補助などでのAI活用」の4段階に分け、各社の状況を尋ねた。その結果、最も多かったのはフェーズ1の28.9%で、フェーズ2が20.3%、フェーズ3は3.6%だった。この結果からは、全社的なシステム連携やデータ連動といったAIツールの活用には、高い壁が存在することが示唆されている。

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生成AI導入の4つのフェーズ(提供:ソフトクリエイト

 調査結果からは、AIツール導入に伴うセキュリティ面の懸念が高まっていることも分かった。特に「学習データからの情報漏えい」を不安視する回答は70.1%で、2024年の63.1%から増大した。続いて、「知的財産権などの侵害リスク」(53.6%)「コンプライアンス違反」(48.3%)など、法的リスクを懸念する回答があった。

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AI活用におけるセキュリティ上の懸念点や課題(提供:ソフトクリエイト

 ソフトクリエイトは調査結果を踏まえ、AIツールの全社展開を進めるには「セキュリティガイドラインや運用ルールの整備」「AIツール選定時のセキュリティ基準の明確化」が不可欠であると指摘している。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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