メールは怖い? Z世代が求める「UCツール」6つの条件:Z世代に合わせたUCツール【前編】
Z世代が社会に進出する中、コミュニケーションの在り方に変化が生まれている。従来のUCツールでは満たせない、彼らが求めるコミュニケーションとはどのようなものか。
1990年代半ば〜2010年ごろに生まれた「Z世代」が社会人になったことで、企業における従業員のコミュニケーションやコラボレーションの在り方が変わりつつある。Z世代は一般的に、相手と時間を合わせずに自分の都合でやりとりできる、手軽なコミュニケーションを好む。メッセージやボイスノートといった、モバイルデバイスを主体とした文字や音声でのやりとりを重視する傾向もある。
この変化に伴い、IT担当者はユニファイドコミュニケーション(UC)ツールの選定や導入方法を見直す必要に迫られている。本連載は、Z世代のコミュニケーションスタイルがUCツールの選定に与える影響を分析し、企業の意思決定者が取るべき対策を解説する。
進む職場の世代交代とコミュニケーションの変化
職場を支える技術の進化とともに、従業員が利用するコミュニケーションツールも変化を続けてきた。1800年代後半に登場した電話はオフィスを一変させた。1980年代にはPCがコミュニケーションの在り方を変え、1990年代にはインターネットや企業向けネットワーク、無線通信が大きな影響を及ぼし始めた。
そして2025年の今、Z世代が新たな変化をもたらしている。Z世代がメッセージングアプリケーション「WhatsApp」やビジネスチャットツール「Slack」といったアプリケーションを業務連絡に使う様子に、上の世代の従業員や経営層は戸惑いを感じることがあるはずだ。しかしこれは、彼らの働き方を象徴する一面に過ぎない。
Z世代がUCツールに求めるもの
デジタルネイティブとして育ったZ世代は、上の世代とは異なる価値観でコミュニケーションツールを評価する。彼らが生産性を高め、快適に仕事を進める上で不可欠と考えるツールには、幾つかの要件がある。
要件1.非同期コミュニケーション
Z世代は概して、録音された通話よりもメッセージやボイスノート(音声メモ)でのやりとりを好む。自分の都合の良いタイミングで、簡潔かつ形式張らない返信をするのが彼らのスタイルだ。そのため、非同期メッセージングやメディアファイルの保存機能がUCツールに求める要件になる。
要件2.チャットアプリケーション中心のやりとり
Z世代はメールに対して不安を感じる傾向があり、何通もの未開封メールを抱えてしまう場合がある。彼らは形式的なメールよりも、Slackのようなチャットツールを使った、形式にとらわれない気軽なコミュニケーションを好む。メールが主流の社会において、チャットツールはZ世代にとって心理的な負担が少ない手段だと言える。
要件3.ハイブリッドなコミュニケーション手段
10代の頃から多様なデジタルツールに親しんできたZ世代は、テキスト、音声、映像といった異なるコミュニケーション手段を、さまざまなツールで自在に切り替えることを望む。そのため、特定ベンダーの製品に縛られず、サードパーティー製ツールとも連携できる、ハイブリッドなコミュニケーション手段が不可欠になる。
要件4.テレワーク時のコラボレーション
Z世代が社会に出始めた時期は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)と重なる。その経験から、彼らはテレワークを強く支持している。UCツールには、オフィスワーカーとテレワーカーのコミュニケーションの隔たりを和らげる機能が欠かせない。
要件5.場所を選ばないアクセス性
「ワーケーション」(ワークとバケーションを組み合わせた造語)は、休暇を取りながら仕事もこなす働き方だ。このような働き方を理想とする傾向があるZ世代のニーズに応えるには、自宅や旅行先など、従業員がどこにいてもアクセスできるUCツールを提供する必要がある。
要件6.モバイルデバイス中心
Z世代は移動中にもコミュニケーションや共同作業をすることを好む。スマートフォンを常に携帯しているため、ノートPCだけではなくスマートフォンでも快適に動作するUCツールが求められる。
次回は、今後のUCツール選定で重視すべきポイントを考える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。