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メルカリは“AIネイティブ”企業になるためになぜ「Notion」を導入したのか“情報散乱”状態に別れ

メルカリが全社で情報共有ツール「Notion」を導入した。背景には、複数のツールに情報が散乱し、意思決定を妨げるという根深い課題があった。同社が目指す「AIネイティブ」な働き方を、Notionはどう支えているのか。

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 オンラインフリーマーケットを運営するメルカリが、新たな成長の柱として「AI-Native」(AIネイティブ)というテーマを掲げている。これは、AI(人工知能)技術の活用を前提に組織や業務、従業員の意識を根本から変える試みだ。この変革の背景には、これまで複数のツールに情報や知識が分散し、組織横断での連携や迅速な意思決定の妨げとなっていた課題がある。

 そこでメルカリは2025年8月、全従業員および外部協力者2000人以上が利用する、社内の情報を一元的に管理するための仕組みとして、AIアシスタントを搭載する情報共有ツール「Notion」の採用を決定。単なるツール導入にとどまらず、AI時代にふさわしい働き方を実現するための戦略的な一手と位置付けている。

2000人超の働き方を変えるNotion

 Notionは文書作成、タスク管理、社内Wiki(情報共有ページ)といった機能を持つ情報共有ツールだ。AI技術を用いた業務支援機能を組み込んでおり、会議の議事録をAIアシスタントが自動で要約したり、必要な情報をAIアシスタントに尋ねて探してもらったりといった活用ができる。

 メルカリがNotionに期待する役割は多岐にわたる。まず、会議の議事録や進捗(しんちょく)レポートの作成にAI機能を活用する。実際に、議事録の作成コスト削減やタスクの抜け漏れ防止に明確な効果が出ているという。これによって、従業員は面倒な定型業務から解放される。

 これまで使っていた他のツールも含め、横断的に情報を検索できる機能も、その検索精度が評価されている。従業員は必要な情報を素早く参照し、情報格差のない状態で意思決定の速度を高めることが可能だ。

 導入の決め手になったのは、誰もが直感的にAIアシスタントを使える操作性に加え、企業の厳格なセキュリティ基準を満たしていた点だという。メルカリのCTO(最高技術責任者)木村俊也氏は、この導入が単なる業務効率化だけではなく、より大きな戦略の一環だとの展望を示し、「人もAIアシスタントも利用しやすい形で情報を蓄積し、AI時代において競争性を保つための土台を作りたい」と語る。これは将来、同社がNotionに蓄積した全社の情報や知識を、AIアシスタントが直接活用できるようにする仕組みの構築を視野に入れたものであり、AIネイティブ企業の実現に向けた同社の強い意志の表れだと同氏は説明する。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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